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2020年5月7日木曜日

懐の深さがタンゴです

深夜の地震警報とか

雷とか

親父とか

もう たまらんな。







あ、親父はいないわ。






昨日は バリバリ ヌエボな動画を載せました。

そして「おうち de TANGO」では その曲を使って
遊んでみました。


これじゃ タンゴじゃないじゃん  と感じられる方も
ひょっとしたら いらっしゃるかもしれません




私としては

踊りというのは 大きくひとくくりで その境目は
とても曖昧なもので

曖昧であるから 芸術として発展してゆくのだと思っています。



アルゼンチンタンゴダンスのその起源は

男性同士による フラストレーション発散のために
生まれたという説が有力であり


最初は 決まったいくつかの振り付けを繰り返すような
ものだったようです。



男女で踊るようになっても  頭と頭をくっつけて踊り


そこから しばらくして やっと現在のアブラッソに近い形へと
変わってゆきました。




アブラッソの形が出来、

音楽の幅が広がると、テクニックが多様になってきます。



テクニックが多様になると、また 二人の体は離れ、
それによって さらに 新たなテクニックが生まれます。




新たなテクニックが加わってゆく過程というのは

誰かが 必ず 違ったジャンルの踊りを取り入れたりしてゆくものです。




アルゼンチンであれば、お隣の国、ブラジルのサンバや
チリ・ペルーあたりの 地元で昔から伝わる民族舞踊の要素を
加えようと思ってするよりも
むしろ入ってしまう  ということもありえそうです。


そもそも アルゼンチンの原住民ガウチョに伝わる
フォルクローレ、サパテオなどの要素は当然加わっています。



時代が進み、

男女の在り方が変化してゆき、

女性の社会進出もまた進み、



ミロンガのルールも 時代に合わせて変化してゆきました。







急に 話が飛ぶようですが

私がタンゴを始めた時、タンゴ業界の年齢層はかなり高かったです。

それは 日本に限らず、アルゼンチンでも同じく

タンゴを踊る人の年齢層は高めでした。


1930年代 〜 40年代の黄金期と呼ばれる中で
タンゴを始めた層がそのまま年齢を重ねてゆき、

しばらく新しい大きなブームは来ていなかったからでしょうかね。





それで、私の師匠は 当時まだ20歳そこそこだった
私を大歓迎してくれたわけです。

それは 若い人に広めないと 文化が止まってしまうことを
危惧していたからでした。







そして アルゼンチンでも キーパーソンとなる人が
若い層の呼び込み役になることで

また 別の踊りの要素が入ってくることになり


そこからまた テクニックも進化発展していったのだと思います。





そして踊りに限らず 様々な文化が  古典へ回帰したり

また現代へ戻ったり・・・

そのように 行ったり来たりを
繰り返しながら 時代の流れに乗って
後世へつながれてゆくのでしょうね。







このダンスをスタイルで線引きすることは
実際のところ 非常に難しいと思います。

本人が断固主張しない限りは。




私は 仮に  モデルノが好きなのですか? と聞かれれば
ちょっと困ってしまいます。


「私のスタイルはモデルノです」だなんて恥ずかしくて
絶対言いたくないですし(笑)
「私のスタイルは ちょっとトラディショナルも混じったモデルノです」
だなんて ややこしくて変ですし。


でも 本当のところ 誰でも 様々な要素が組み合わさって
少しずつ作られていくのがタンゴで


それを許してくれるのがタンゴなんですね。


タンゴって 懐が広いですよね。





音楽に関しても、古典や現代に限らず
私は いい曲が好きです。


Bahia Blanca も Zitarrosa も等しく好きです。



私にとっては どちらも たまらなく オシャレです(笑)




     ふふん





タンゴの中をカテゴライズすることはナンセンスであり

無理だな〜  といつもしみじみ感じています








今夜は満月ですよー。



皆さま 良い1日を過ごし  心地よく満月の夜を迎えられますように。








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2020年5月3日日曜日

リズムに乗って運をあげる方法

昨日、

もう テンポをとる  これだけで ほんっっと体にいい!!

と書きました。

体にいいだけでなく 運も良くなります。マジで。とも書きました。


これはね、
本当に マジなんですよ。



今日は 本気出して よーく読んだ方がいいですよ。  ふふん。





私は 相当 かなり 超 運がいいです。


運を良くする  とか

運気をあげる   とか


そのようなよく耳にする話は
眉唾に思う人にとっては まったくそうでしょうけど

私が 自身の体験の中から真実であると感じていることの
1つに「テンポをとる」 というのがあります。



意識的に テンポ をとる  ことと
意識的に テンポなし  にすることを

自然と生活の中で取り入れています。



意識的にテンポをとる   というのは

音楽に合わせてリズムを踏むことももちろんそうですけど

歩く時に テンポを意識的にとる なんてこともそうですし、

1日の中で どこかに テンポ感を入れることを
もう無意識にしてるんです。


それと 瞑想をしたり、ベランダでぼんやりしたり(笑)
お風呂に入るとか
無音
無テンポ感  を楽しむことと、

ON    OFF  のスイッチを切り替える感じですね。




それで、テンポ ですけど


ずっと以前に ツイッターで
 「ガムを噛んでたら すごく集中できて 仕事が超はかどった」

というようなツイートを見かけたことがありました。


ははーん、
これも  テンポ  が体の中に入ったからだな、 と思いました。




片岡慎介さん という方の「ツキを呼ぶ 絶対テンポ116」という本が
あります。






片岡さんが ある時、月にはリズムがあることを発見し、
そのリズムで音楽を作ったとか


ここで言う 月のテンポ 116  を聞くことによって
体内時計が整い
集中力が増し

女性は 女性ホルモンのバランスも整うとか




私の i phone には メトロノームのアプリが入ってます。

  〜 待ち受けはアルパカのアルフィー😍 〜




ふいに ただ ひたすらメトロノーム鳴らしとく とか
やってます(笑)
気持ち悪い? 

散歩の時に メトロノーム 流すとか(笑)
   ※ 姿勢がよくなる秘訣です!



駅へ向かって歩くビジネスマンはよく
テンポ116で歩いてますね・・・
仕事モードが ON になった状態なのでしょうね。



Googleの検索窓に「メトロノーム」  と入れると

メトロノームがすぐに使える状態で一番上に出るんですよ。
これすごいよ。

今すぐ 「116」を入れて その音をかすかに聞きながら
続きを読めば ますますいいかもよ!!!

確実に気分がポジティブへ傾きますから。これほんと。




昔の記事ですが プレジデントオンラインでも見かけました








さて、それで、


タンゴの音楽も テンポ116 に近い曲がたくさんあります。


昨日と今日の「おうち de TANGO」練習曲
その1  Osvaldo Fresedo オスワルド・フレセド の

 Siga El Colso テンポ 117


その2   いつもの CiteTango  は
ちょっと早めで気分が上がる

   テンポ120


ディサルリの  Bahia Blanca は 111 くらいでリラックス


教室では毎回毎回 アホほど聞いてる
カミナンド用の曲

 Comme il Faut  は ほぼ  116




私たちは いつもいつも  こうして 実際に 動いて
体の中に テンポを入れてるんですよ。

すごくないですか??



どーりで 一定のテンポ で  動いて集中すると
スッキリして
気分が良くなるでしょう??





気分が良い状態をつくる

つまり 自分で自分の機嫌をとるのです。


ご機嫌のところへ ツキはめぐってきます。

運命の女神はご機嫌悪い人に わざわざ微笑みません。
めんどくせーから(笑)





よく「調子がでてきた」  とか

「最近 調子がいい」   なんて言い方するじゃないですか?



調子  って  合いの手とか  テンポを取ることでもあるんですよね。






自分で自分の機嫌をとりましょう。

今日も ご機嫌でがんばりましょう!!!



夕方16時  おうち de TANGO 発売中です。
本日の受付は 13時まで。














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2020年4月20日月曜日

ナベイラの真骨頂・アペルトゥーラを世界一わかりやすく解説するとこう。

昨日、ミニオンラインセミナーで
グスタボ・ナベイラの話をしたのですが

彼は非常に独特なセンスで ナベイライズムを
つくり上げていったんですね。


例えば 昨日の話の中で

本来 ただの 横  とするステップを

ちょっと

ナンバなひねりをともなった
横のような縦のような横

というややこしい横を考え出した という話をしました。


横 というスペン語は  Costado コスタードですが

ナベイラは いわゆる仁王立ちのような
足と 骨盤 と 上体すべてが前を向いて 両足を開かれたようなものを

横、 コスタード と定義しています。  ↓





ただ、あらゆる横を横にしていることで
発展が妨げられている と考えたのではないかと思うのです。


もっと 曖昧な横があって良いし、実際あるし、
そうであるべきだ   とでも言いましょうか・・



曖昧を曖昧のままで定義したからこそ
彼のつくるシークエンスは広がりがでたわけです。



その考えや  その作り方は ダンスの世界においては
非常に斬新で  勇気あるものです。


ですが、そのたった1歩の動きを いちいち

ナンバなひねりをともなった
横のような縦のような横

と言葉にしていたら 面倒臭くて仕方ありません。




そこで 彼が言い始めた言葉が

Apertura  アペルトゥーラ  開くという意味の言葉です。




このアペルトゥーラ という1歩は
それ1歩では成立しません。


例えば シンプルな  横  は

一発で 単純に 明快に  横  が可能です。

すごく単純な言い方をわざとすれば、
この横へ1歩 というのは なんの準備も必要としない1歩なのです。





それに対し アペルトゥーラの1歩は

その直前にディソシエーションの
1歩がなければ成立しないのです。


例えば 前オーチョの片道を1歩してストップした状況がそれです。


その前オーチョ片道の上体と絞りをキープしたまま
次の1歩を出すのがアペルトゥーラです。



しつこいようですが
アペルトゥーラは それ1歩では生み出されず、

その直前のディソシエーションから発生する
次の1歩のことを指しています。

すでに上体が絞られているので、その1歩はほとんどの場合
それほど大きな歩幅にはなりません

直前の1歩に対して
半分くらい   というケースが多いです。




で、そのアペルトゥーラの状態で ストップして
仮に写真を撮ったとしましょう。


現代舞踊的な こんなイメージのものに少し似てきます。




様々な舞踊をざっくり言うと

クラシックバレエ(古典)に対して  モダンバレエ(現代)があり

モダンバレエが  ジャズへ  コンテンポラリーへ
ヒップホップへ(現代の広がり)  と流れていった経緯があります。



クラシック、古典の中では ありえないことですが

コンテンポラリーでは  崩すカッコ良さ  というのが重要になってきます。




例えば、コンテンポラリー的には  このように崩した横も
横であったりするわけです。



ナベイラが
体のひねりを伴った横  を  新たに アペルトゥーラと定義してくれた
お陰で、世の中の クラシックバレエに見る古典ガチガチで
きれいにきれいに踊らねばならない  という位置から


コンテンポラリー的な踊りを得意とする人々が 水を得た魚のように
伸び伸びと 自由に崩し始めたわけです。




もう1つ 付け加えるならば
バレエでは 膝を伸ばす といったら 徹底的に
膝が反り返るほどに 伸ばすことだけが 伸ばす  であり

完全にロックした状態でもありますが


対して
コンテンポラリーでは  ゆるみ に重きをおきます。


張りとゆるみ の違いです。



横は 張ります。




アペルトゥーラはゆるみます。




現代タンゴとは  そのように広がっていった と
私は考えています。


私は当初 張り で習い、張って張って張りまくるタンゴを
ずっと踊っていました(笑)



それが ある時 ブエノスへ行って

「え??   ゆるんでも  いーの???」  と

いうのを知って  開眼しました。








ともあれ、アペルトゥーラをつくってくれたナベイラに
感謝しています。


いや、
それによって タンゴをますます複雑難解なものにしてしまったのも
ナベイラですけどね。


アペルトゥーラに関しては 2018年2月にも
書いていました。







昨日の「おうち de TANGO」と同じ内容の練習を
明後日、水曜日の夜 20:00 にもあります。

ぜひ一緒に練習しましょう!


※ もっと さらに 音に気をつけます!!!!












昨日のインスタライブ見て下さった皆さまありがとう。
いつもありがとう。


今週も 笑顔で幸せにがんばりましょう。







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2020年3月1日日曜日

ソルターダ とは?

ここ2週にわたり  水曜日、土曜日と

レベル4のクラスでは

たて続けに ソルターダ ばかりをやっていて

ほとんど集中特訓みたいになってました(笑)

うちが これほど同じ課題を連続でやるのは
ちょっと珍しいですな。


Soltada は 直訳すると 「解放された」 という意味に
なりますが

本来アブラッソで くっついてるタンゴであるにも関わらず

2人が 離れた状態になる動きを ソルターダ と呼んでいます。


スペイン語の「Solo」は 1人という意味なので

1人ずつに分離するような意味合いで考えると


レッスンでやったソルターダは 手は繋いだままでしたから

本当の意味での ソルターダでは ないかもしれませんが。



でも、完全に離れるというのは やはり暗く混み合ったミロンガでは
危険も伴い、実用的ではないとも言えますので

手が繋がれたものから 練習に取り入れるようにしてみました。



さて、その前に、足が開いた状態で 体を反転させる練習を
しました。


ここで重要なのが、反転させる  とは  一度中間バランスを得て
両足が開いたままスイッチさせる、というものです。



こんな感じ↓




あははー。
おもしろいね!

Gif画像便利ー。

このアプリこんな風に一度使ってみたかったんだよねー。




反転の練習  というのは タンゴの上達において
実は非常に 意味があるものだと思っています。


体のはたらきで言ったら オーチョと同じなのですが、
足が逆になっても 同様であり続けていて

それには 非常にシンプルに 素直に腰に対してまっすぐ
そのままに足の運びがなされる  という条件が
日頃から身についてる必要があります。

男女ともよく注意をされる

 「まわりこんじゃダメ」 というアレです。


オーチョと同様 とは つまりこんな感じ↓





⤴︎オーチョであろうと、
さらにもう1歩進んで 足が逆になろうと
同じはたらきをキープし続ける ということです。





女性は そのまんまアドルノとして使いますし↓








男性も 実は同様のはたらきを ヒーロしながらサカーダを
入れる時などに かなりの頻度で使います。

つまり、同様のはたらきで 円周上を歩くような
感じですよね。 
こんな風に。







と、ここまで 反転させるはたらきの練習を
色々なケーススタディした上で

いよいよ ソルターダに入ったわけですが、




つまり、ソルターダも 1本の軸で 一気にクルッと
せずに 2本足が 開いた状態の反転を きっかけに
しましょうね  ということです。


1本軸で クルっとさせることは可能ですし
かっこいいのですけど

女性にとって バランスを取るのは大変ですし

男性も 上手にアプローチすることは 難しく、ほとんどのケースが
ただ単に驚かせただけ  になり
お互いにかっこ悪く 気まづい空気になりかねません・・

          寒っっ





で、2本足が開いた状態を入り口にした
ソルターダ というのが こんな感じです↓







⤴︎これはまず 開いた前の足(女性右足)で 後退のオーチョをさせた終わり方です。



そもそも2本の足が開いたところを入り口にしている ということは
2本足のどちらを出口にすることも出来るので、


上の例は 前の足(女性右足)だったのに対し、


次の例は 後ろ足(女性左足)を出口にし、パラーダに繋げた終わり方です。
こんなふうに↓



















このように 1本足で 一気にクルッとサルサのような
まわり方をするのでなく、2本足のどちらを軸にしたいのか を
リードフォローする というのは

出口のバリエーションも増やせるので 便利ですし

なんと言っても 安全性が高くなるのでおすすめです。




それでも 難しいのは この画像を見ただけでは
なかなかわかりづらい 手の動きや 視線の使い方ですね。




ミロンガは暗く 混み合ったケースがほとんどなので、
男性はくれぐれも 急に女性を離して 驚かせるような
ソルターダをしないこと。

とても大事です。


ソルターダをするなら、タンダの1曲目2曲目の中で
先にサカーダや パラーダの時に アブラッソから相手を離す
リードを仕掛けてみる。


この時、男性が離そうとしたにも関わらず、
女性が左腕の位置を変えようとせず  くっついたままでいるなら
たぶん この女性にはソルターダは無理です。


通じないし、やはり驚かせるか、
最悪のケースは転ばせてしまうでしょう。


アブラッソをしてる時、目を閉じている女性も多いです。

それをいきなり ポーンと 放り出されたら
そりゃ驚くでしょう?


もし、曲の中で距離感の変化にも対応する女性であれば
タンダの3曲目か4曲目でとりいれるのはアリかも ですね。



当然ですが、日頃ぜんぜんレッスンに来ていない
ミロンガだけ という女性には やらない方が無難です。
立ててないケースが往々にしてありますから、

しなだれかかってればソルターダは無理なのです。



そーいうの考えないで

こんなことも出来るかっこいい俺  ってだけでの

ソルターダ利用は いけませんな。



私のクラスでは 基本的には レベル4くらいまで
しっかりみっちり 繰り返し基礎を積み上げてきた方にしか
このような動きは取り入れません。

その意味をリードする側の男性には
どうか理解して欲しいな と
思っています。




で、しつこいようですが、
そもそも混み合っていて 周りに迷惑がかかる状況ならNGですね。





出来るようになると、お互いに楽しいソルターダ!

私はね、ぶっちゃけ ダイスキです。 ソルターダ!



2人で 音にも合って  コネクションの共有があって
ソルターダもうまくキマったら 嬉しくて楽しいですよねー^^

たくさんの人にどんどん出来るようになって欲しいです!








残念ながら 本日のビギナーズミロンガは中止です。

でも 15:30〜 グループクラスはあります^^




今日も1日 楽しく お元気でお過ごしください♩♩♩









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2020年1月22日水曜日

それもタンゴ。 それがタンゴ。

昨日書いたような

 場末のタンゴ っちゅー話ね


どちらが良い でも

どちらが悪い でもないんですね。


それが タンゴ という。 それだけなのです。



そして時代も変わってゆくのですよね。


フローリングのダンスフロアに タバコのポイ捨てはいけません(笑)
火事になりますから



おねーちゃんの腕つかまえて踊っちゃいけません。

ガビートはガビートだからOKなのです。


そこらのおっさんが 同じことしたら
オーガナイザーにつまみ出されるか
噂になって 二度とミロンガの場へ入れなくなるか・・・

         おー こわっ・・・・







ところで、数年前 E君こと エセキエル・ファルファロを呼んで
クンパルでワークショップをした時にですね


毎日 いろいろなテーマでレッスンがありました。

サカーダだの  リズムだの  いろいろですね。



数日間のワークショップののち、最終日のレッスンで


彼は HUGO DIAZ (ウーゴ・ディアス)を流したんですよ。



ハーモニカでタンゴを演奏されてるもので
音が揺れに揺れて 大変に踊るには難しく
しかし味のある素晴らしい曲ばかりです。






それで「はい みんなこの曲で踊ってみてー」 ってね。




それでそれで

 「こーいう一面もタンゴなんだよ。

 きれいに きちんと足を揃えなくても

 きちんとピボットしてなくても

 そーいうことじゃなくて

 この感じもタンゴなんだよ。


 ある意味 ちょっと いい加減さや  投げやりさや

 汚いところがあっていいんだ。

 それを踊ってみて。」




とね。そんな レッスンだったのです。


覚えてる人  いるかしら・・・?




つまり そーいうことだと思うのです。


それも タンゴ   という。




井上陽水で言ったら
夢の中へ の

 それより僕と踊りませんか うふふ〜 

も  あれば


傘がない  の

  誰かが自殺したって
 そんなことより傘がないことの方が問題  っちゅー


例えがわかりづらい?


いいんです。  そーいうことです。





でも・・・
そっか

今の時代のタンゴって 

これだけ世界に広がりましたけど


隠極まって陽となる  といったところなのかもしれませんね。



やはり これからのタンゴは
世界に平和をもたらすとしか思えないなぁ  私には。









さて
この Hugo Diaz の Volver (ボルベール) という曲は
帰郷を意味している曲で

はるか海の向こう  スペインやイタリアの故郷を想い
なくしてしまった大事なもの
手の届かない何か


アルゼンチン国民の思いのすべてが
ハーモニカの一音一音に表されているのでしょう。




HUGO  DIAZ 













また明日。








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2020年1月21日火曜日

場末のタンゴ

おととい日曜日は
古いお友達で TOSHIさんという方のミロンガへ
関谷先生と一緒に遊びに行きました。


TOSHIさんは 青山クンパルを始めるもう少し前
神田の教室へ来て下さった方で

サルサをやってた方だったので 会った瞬間から
すでに踊れ、やたらうまかったので

当時 私たちが練習してた 秘密基地 へ連れ込んだのです(笑)

懐かしいなぁ〜・・・




ここ数年ずっと 吉祥寺カリブ という場所でミロンガをされてまして

毎年毎年毎年毎年

「今年こそ遊びに行くね」 とお互いに言い合いながら

一体 何年間  行く行く詐欺をし続けただろう? (笑)



そんな折、
オーナーさんが 高齢で足を悪くされたことなどから
カリブを閉店されることになったそうで

今回サヨナラミロンガ となってしまったのです。


最後の最後になってだなんて  ほんと申し訳ないのですが
慌てて 駆けつけた という次第です。




関谷先生とは 別々で向かったので
私の方がずっと早く着いたのですが

知らない場所へ一人で行くことがめったにない私は
ちょっと不安だったのですけど

TOSHIさんは あの頃とびっくりするほど
ぜんぜん変わりなく 人懐こい笑顔で出迎えてくださり
ホッとしました。



TOSHIさんに対する懐かしさとは 別に

カリブ という 噂には聞いてたけど
閉店という時になって初めて足を踏み入れたその店は


古いビルの狭い階段を降りてゆき
入り口は 薄暗く
つい背をかがんで入るような感じで
店内も天井が低く


あれ?
ここ   知ってる・・・・・・・



わかんないけど

なんか 知ってる



そんな気にさせられる



古くからタンゴをやっていて
ブエノスへ一度でも行ったことがある人なら
ひょっとしたら みんなそんな気にさせられるのではないだろうか?と
言うような 良い意味で
場末のドロ臭さのようなものがある店でした。



タンゴに欠かすことのない原点のようなそれ



あえて 言葉にするなら哀愁とか きっとそんな感じのそれ。





へーえ、
そうか  最近はこーいう ある意味 リアルなミロンガって
こんなにもなくなってたんだなぁ・・・

って   ハッとさせられてしまいました。


私のように  教室が教室の先生主催でやってるミロンガでは
絶対にどーしたって出すことの出来ないそれ



あんな店で ギターの生演奏のデュオをされちゃうと

タンゴの後ろにある 何かが引きずり出されてくるようでした。




普段は タンゴだけでなく、
ひょっとしたらサルサがメインのお店なのでしょうが

サルサというダンスの背景にある 植民地とか・・

タンゴの背景にある 移民問題とか・・


私たちには 到底 わかりえるはずもない深い闇の匂い というのが
どちらのダンスにもあるのでしょうね。






ああ、それと、

なんと バンドネオン奏者の小松亮太さんがお見えになっていました。

狭い店の奥で 普通にトレーナーにジーンズで ちょこんと座っているんだけど
眼光するどく ギターデュオに聴き入ってて
醸してるオーラが半端なかったです(笑)

私は亮太さんがSONYに所属される前まで
毎年 舞台をご一緒させて頂いてたことがあったので

懐かしく ご挨拶させていただきました。

うれしかった!!
素敵な人だなぁ・・・



それで、やっぱり あんな風にお忍びで
ひょっこり座ってても 亮太さんも
あの場末感というか ドロ臭さが似合う感じが
タンゴに生きてる人なんだな と思ったわけで。









帰り道、

唐突に思い出したのは

六本木の今はもうなくなった 薄暗いミロンガで

当時 来日してた故カルロス・ガビートが


ミロンガのフロアに今 吸ってたタバコをポイっと捨てて
ぐっと 近くにいた女性の腕をつかみ踊り出した姿です。


フローリングのダンスフロアに投げ捨てられたタバコ。

カベセオもへったくれもない 強引に始まるタンゴ。








吉祥寺カリブは あと2回のライブ・ミロンガで終了だそうです。





◆さよなら吉祥寺カリブvol.5~Special Live Milonga◆ 日時:1月23日(木)19:00-22:00 料金:¥3,000 with Live (事前予約で500円off) Live:石井有子(バイオリン)/金益研二(ピアノ) 第5弾は音楽ライブで大活躍のお二人です。この組み合わせのミロンガ演奏はなかなかレアです。 この機会にぜひ彼らの音を体感してください! 演奏は2ステージ 1stステージ19:20分予定 2ndステージ20:40分予定 そして、この日は 「みっちょん&ヘイクロー」のサンバパフォーマンスがあります。 彼らはトシ&アイコが吉祥寺カリブでサルサをメインに練習していた時の仲間です。 彼らはサンバダンサーになり、私たちはアルゼンチンタンゴダンサーになりました。 あの頃一緒に汗を流したことは忘れられず、ダンスに対する熱い思いは全く変わりません。 色々な想いを込めてサンバを踊って下さいます。 ◆さよなら吉祥寺カリブFinal~Special Concert & Live Milonga◆ 日時:1月30日(木)19:00-22:00 <第1部>バンドネオンソロコンサート 19:00〜20:00 バンドネオン:小川紀美代 <第2部>ライブミロンガ 20:00〜22:00 バンドネオン:小川紀美代/コントラバス:吉田水子 料金:1-2部通し ¥3,000 with Live (事前予約で500円off) (1部のみ、2部のみ、各¥2,000)







また明日^^







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2019年11月28日木曜日

背の高さが合わない場合の踊り方について

今日は 昨日より少し良くなったけど
やっぱし左の肩が調子悪いです。


でも ゆうべのレッスンも ガンチョとサカーダの
コンビネーションだったので
可動域が広いと やっぱしイタタタタ って感じです。





先日 オランダの話を書きましたけど



オランダの女性は  ものすごーーく背の高い方がいまして


一緒に行った 日本人男性が ミロンガで現地の女性を誘ったら

すぐに 「NO」  って断られて(笑)


どーしたことか  「まーいーじゃん そー言わずに」 と
英語で言ったかどーかわかりませんが
食い下がりましたところ(笑)

その女性 一応 立ち上がってくれたのですが


向かい合って 組んだ途端
頭2コ分くらい大きな女性で

横へ1歩しただけで   「やっぱNO」って

戻ってきたので 爆笑して見てました。






タンゴは基本的には 背の高さ関係なく踊れるものですけど


やはり あまりに違いがあると 1タンダ分は
体が疲れてしまうということは あるかもしれませんね。




時々 お問い合わせで

「すごく背が高いのですが 大丈夫でしょうか」 とか

あるいはその反対とか お尋ね頂くことがあったりしますが


もちろん 技術的には どなたでも可能ですし、
ちゃんと楽しめるようになるものと思っています。


気にしなくて大丈夫です。



それより 背の高さも 腕の長さも関係なく
どんな人であっても
練習してゆく段階で 相手と合わせる様々な工夫をする気持ちは
持っていたいと思うのです。


誰と踊っても 自分の立ち方はこう  とか

アブラッソはこう   とか

決めつけてしまったり


相手に合わせさせるのではなく


お互いが相手との調和を見つけることの方が大事です。




その意味で  背の高さが合わない場合
いくら アルゼンチンタンゴはアブラッソが大事 といっても
無理に固執する必要はない  と思うのです。



背の高さが合わない場合、
オープンで 踊った方が 踊りやすいのではないかと
思います。


男性の方が小さく、女性の方が大きい場合は
なおさら オープンの方が 踊りやすいのではないでしょうか?


男性の方が大きく、女性がとても小さい という場合、
女性は 頭を右へ向けると 比較的 リードが受けやすくなるかも
しれませんね。



繰り返すようですが、
どうしてもアブラッソでなきゃタンゴじゃない なんてことは
ありません。


それより

どーしたら  この人に伝わりやすいかな?

どーしたら この人の情報を受け取りやすいかな? と、

距離感や 頭の位置を 探り、工夫をすることで

1タンダが 楽しく終えられるといいですね。





明日は
腕の使い方  について
もう少し言及してみましょうかね。





イタタタタ・・・・・




では。






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2019年11月21日木曜日

タンゴのシステムってなんだ


レベル2で 習得するべく
大事な項目の1つが「いらっしゃいませ」です。


方向転換などをするために必要なはたらきなのですが


繰り返し 何度も言うように
その練習を 覚えて出来たとしても 本当にまったく
意味がないのですね。



部屋のコーナーを






こーゆー 曲線のラインでしか 通れない男性は

「いらっしゃいませ」の本質をまだ理解していないのだと
思われます。








いらっしゃいませ というのは

男性の内周にあたる足を モデル立ちするかのように
あるいは 店員さんが「いらっしゃいませ」 と ピッと
片足を半分後ろにまわして立つような
あんな姿をイメージして言っているのですけど



  ※ 違う教室では「どーぞこちらへ」と呼んでるところも
   あるそうです。


 で、身に付けたいのは

足元が 「いらっしゃいませ」の形になることではなくて



1歩目として 横に開く足は   目的地によって
変化させることで  行き先の角度を自在にできる  ということなのです。




この図だと 男性目線なので
女性にはわかりづらいでしょうか?










逆立ちすると わかるかな??


こーか??
文字が逆立ちしてるけど(笑)








これは  サリダでも ボックス でも  サリコンでも
共通した  単なる横に開く 1歩目  ですね。




それが  こーなるのが「いらっしゃいませ」です。







女性のための 逆さまバージョンは こう






男性が右足の後ろへ 左足を いらっしゃいませ するのは
曲線をもって うしろ  という感覚でいいと思います。


でも 女性が 右足を その円周上に着地するのは
曲線ではなく  直線の

あくまでも シンプルな  前進です。



女性は ヒーロ とか いろんな発展の中で


まわりこまない

と、先生から注意をされることがあるのではないかと
思いますが


このシステムの この右足の働きを 理解していくと

発展になって


まわりこまない 

と、注意されることは なくなるはずなのですね。





ああ、それで

男性が 部屋のコーナーを曲線でまわるのではなく、というのは


このシステムを使いこなせていると





コーナーの こんな使い方も出来るようになるんだよ
っちゅーことです。





いらっしゃいませ の練習の本質を みて
そのシステムを身に付けていくことが目標ですからね。


その場で そのステップを覚えたところで
ミロンガ実践で なかなかうまくいかないままになってしまいますから。




この いらっしゃいませ は システムの
ほんの一例ですが




覚えたことだけに 囚われてしまうかどうかも

自分の意識次第ですからねー。



不自由なところから抜け出して

自由なタンゴを踊るために

その本質を見れるようになりたいですね。









また明日^^







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2019年11月1日金曜日

バブリーなタンゴ


ここのところ
日本のバブル期における タンゴの話なんぞ書いています。

タンゴアルヘンティーノの宣伝のお金のかけ方は
すごかったよね っていう話とかですね。


ふと 思い出したんだけど



そーよのーー・・・ たぶん・・・
98年頃かのう?

フジサンケイグループので
日産がスポンサーの タンゴの舞台もあったこと
思い出したわ。

タンゴアルヘンティーノのヒットがひきづってるのに
あやかろうとしたんだかね?


代々木体育館の特設テントで ロングランしてた記憶が。


すっごい豪華なパンフレットでさ。



あー、名前 忘れちゃったな。
思い出せない。

ま、いーや。
あの辺もお金かかってたなー  と思ってさ。




それで、私が E君と組んで踊ってた頃は
もうバブルはじけた後だったのだけど、


         ( E君って誰? って方はコチラ )


なんか  まだしばらく 世間が浮かれたままの感じって
あったじゃない?


だから ちょっと変 な仕事が入ってくること
結構あったんですよね。


その1つで 忘れられない 変な仕事が・・・


名古屋の  個人のお宅での パーティーで踊る ってやつ。



個人ですよ。 

ぜんっぜん知り合いでも 繋がりも何もない
個人のお宅の  なんのお祝いかさえ わからない状況で

私たちの他に  フラメンコダンサーとかジャグリングの人とかも
呼ばれてて、

いわゆる普通の邸宅なので

広い応接間みたいなところで、いっしょくたに
着替えとか 準備する  まあ楽屋の代わりみたいなとこに
収まって


庭の一角にベニア板が敷かれたところと、
客間に ベニア板が敷かれたところと、

そんなの行ったり来たりしながら 踊るの(笑)


音響なんてないから ちょっとデカいラジカセで。




用意はベニア板 ってショボいけど


すごい沢山の人が出入りしてて、高そうなワインとか
シャンパンとかご馳走がズラーッと並んでて

でも いわゆるバカ騒ぎみたいな感じではなくて

お金持ちざます   って感じ。


そんなとこで踊るの・・

なーんか 妙な感じですわよ( ̄ー ̄;



当時 私とE君は だんご三兄弟を踊ってたことで
色んなとこ行ったけど



あれは 格別に変な感じだった(笑)



びっくりするような いいギャラだったけどさ。
(ほとんどは師匠の元へ入るけどね)


当時は 変なお金の使い方する人もいるもんだなー  って
思ったもんよ。。。




名古屋と言えば
おぎりんと 企業のなにか祝賀会 みたいなのに
呼ばれて行ったこともあったな・・・

名古屋コーチンをお土産にいただいたこと覚えてる(笑)




あと 先日書いた タンゴアルヘンティーノの動画の中で
岡田真澄さん出てたけど、



六本木のクラブ  っちゅーか ディスコとかで
タンゴイベントがよくあったりして
そーいうとこに 岡田真澄さんだいたい来てたのよね。

その後もたぶんタンゴに興味をお持ちになられてたのでしょうね。


恰幅よくて、タキシードがよくお似合いで
かっこよかったよー。

踊ってるのは見たことないけど。







まあ、そんな風にタンゴにお金使ってくれるような
企業とかあれば
また タンゴブームもくるかもしれないけど



ちょっと  今の景気じゃ ぜんぜん無理っぽいですな。



ここ数年 パタッとタンゴ人口 横ばいな印象で。。。。

寂しいわな。




がんばりましょ。




チーン







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2019年10月10日木曜日

リードの今昔


いつだったか ある男性さんに

リードってどこでするんですか? と聞かれ

いつものように ですよ


とお答えしたのですが



胸でリード というのは 私の好むメソットでは胸 ということです。

それで、胸でリード というのは
とっても いまどき だと思っています。



ずっと以前は 手でリード の方が一般的に
広く使われていたと思います。


私がタンゴを始めた頃は 手 が主流だったと思われますが
胸派と混在していた時代 でしたかね・・。


幸いなことに私の師匠は 胸 でリードフォロー というのを
教えてくれました。


でも、 手でリード派というのは
その頃は それで
間違いではなかったし、
その時の正解は だったのです。


そもそも、アルゼンチンタンゴの源を辿っていって
忘れてならないのが

カンジェンゲ というスタイルです。







これは、腕を思い切り高くあげたり
ぐっと縮めて下げたり、
女性の腕も男性の首へ深くまわして もたれるようにして立ち
腕の合図とともに踊りました。

男性の左腕が ひじを引いたり まわしたり 自転車こいでるみたいな動きで
女性を前後させるような感じ(笑)


でも

カンジェンゲなくして タンゴは語れません

このダンスの発祥として大事なことです。


で、
タンゴ黄金時代 第1期   第2期 と過ぎてゆくなかで
様々なスタイルの音楽が生み出され、

トロイロ・カナロ・ディサルリ・ダリエンソ
そしてプグリエーセなど

あまりにも 音楽の幅が広がりましたから

それに合わせて ダンススタイルも 人々によって
広がりがでてきましたよね。


そんな流れで

胸のリードが いまどき  と なっていったのだと思っています。

時代の流れとともに ますます人々が
音楽を大事にする傾向が強まったため と言えますね。


もっともっと 音楽に忠実に踊りたい!
もっとこのリズムをとりたい!
もっと二人で音楽を共有する一体感が欲しい!



その欲望の現れが 胸でのリードフォローによって

細かな歩幅や 抑揚  大小  タンゴの持つ不安定な美しさ

などの表現にもなっていった と思うのです。


動きでいえば
手でリード が主流だった時代は

ある意味 大雑把というか  いくつかの決まったシークエンスの
かたまりを繋いだ踊りをしていたのではないかと 推測します。


でも 本当に音楽に忠実に踊りたいという欲求がでてきたとき、
既成のシークエンスでは おさまりがつかない音 というのが
出てきてしまいます。



この音で こう動きたい という欲求

つまり  気持ちですね。 

心で思う。 

ハート。




昔から 気持ち とか ハート とかって 漫画だと
こんなふうに表現されてるじゃないですか。

ハート(気持ち)は胸にあるものです。

だから 今 この瞬間感じてる音楽を 手から伝えるより
胸から伝えた方がますます
ダイレクトだよね  と。



手の時代は リードを manejar マネハール と呼びました。

これは すなわち 操作 であり  操縦

マネハール(運転)  という概念がリードであったのに対し、



現代の人は proponer プロポネール(提案する)
という呼び方に変わってきていることが

この手から胸への時代の変遷を物語っています。


 このプロポネールとマネハールについては
 去年も書いています


例のチチョのレポートに こんなことが書いてありました。


「ファナにはもう何もリードしてないよ」 と。




私も 上級者になればなるほど

「リードはするな」  と言うようになります。


初心者さんのうちは すべてをリードしろ  と言うくせにね。



世界中で タンゴのダンスレベルは どんどん上がっていると思います。


       日本はそうでもないかもしれないけど



すると、今後 タンゴのリードフォローとは ますます 

   ただの情報だけ

つまり  あたかも何もしない   という状態になってゆくのではないかと
思うのです。
もう はたから見たら テレパシーで動いてるみたいな二人とか(笑)





いやはや

深いダンスですな。







また明日。







2019年9月21日土曜日

ミロンガでは小さく踊る ← とは限りません

あのー、以前にね
まだ 世の中にインターネッツが出始めたくらいの頃

いろんなホームページに投稿欄 とか 掲示板 とかがついてるのが
割とふつう っちゅーか 多かったと思うんですよね



それで 割と無防備に 好き勝手なこと言い合ったりね

インターネッツ初期あるある ですね





それで  どーも私 忘れられない1つがですね


  ミロンガの中で 大きく動く女むかつく


みたいな書き込みが あるという タレコミが入りまして(笑)

先生 これホント?  と聞かれたことがあるんです。




それに対しての 数々の書き込みが


 混んでるなら 小さいステップをするのがあたりまえ

 ってゆーか ミロンガでは小さく動くのがあたりまえ

 小さく動くのがマナー

 小さく動くのが常識

 教師はそーゆーこと教えろよ

 
といった意見が 続いてたわけですよ。





ふんっっ  バッカじゃねーの? 

って思ったんですけどね(笑)




東京にはミロンガもあの頃と比べものにならないほど増え、
年齢層やスタイルや 価格により ある程度住み分けがされつつあると感じています。

そして、タンゴ という踊りが

決して いくつかのステップを暗記して繋いで踊れるほど
単純なダンスではない という意識も
広まってきました。


リードフォローを 腕だの 力だので やってる人は嫌われる という
傾向もはっきり出てきました。


時代が変わってきたな というか


レベルが上がってきたな と感じています。


なんといっても  愛好家の 音楽に対する知識の高まりといったら

10年前の比じゃないわけです。



なので、さすがに 今どき こんなこと、冒頭にあげたような意見を持つ人たちは
だいぶ減ってきたのではないかと期待しています。



もちろん 混み合ったミロンガで大きく動くのは危険です。
やめましょう。

でも 混んでるから小さいステップ を女性が決めるのではなく
そのようなリードフォローを共有している結果 小さくなる という
テクニックが必要です。

テクニックです。

技術です。





音楽のシェア  というのは

二人の間 だけでなく、会場 ミロンガ全体のシェアであるから

ピスタは円滑に流れるわけです。




当然、 混んでるから小さい足  というわけではなく

ミロンガは小さく踊るのがあたりまえ  などということはなく



音と リードフォロー  エネルギーによって
強弱大小の波が伝わり合ってることがタンゴになるんですよね。



大きいステップですか?
小さいステップですか? を伝え合い、 使い分け、
それによってミュージカリティが生まれるのは当然です。




さて、2拍子のあっちのミロンガはどうでしょう?


ほとんどの場合 「ステップは小さく」  と教えます。確かに。



しかしそれも、ミロンガ(2拍子の)は 小さい足だ  と
決めてしまう  ということは やっぱり絶対にありえないのです。




これ   女性に多い印象ですが、

ミロンガ(2拍子)の音楽が流れ、相手の男性と組む時、その直前あたりから
もう  チマチマと形を決めてしまってる人がいます。

その女性の中で 先に 

ミロンガは   あるいは  この曲は  こーあるべき という動きを
かもし出してしまってることになります。


それは イカンのです。


ミロンガは小さくあるべき  ではないのです。


大きかったり 小さかったりするかもしれないし

自由なのです。 わからないのです。




ニュートラルが大事   っちゅーことですよね。





今日は DJ kazumix による ミロンガ シエテです。

夕方5時から。

来てね〜ヽ( ´¬`)ノ






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2019年9月15日日曜日

チチョから学ぶミロンゲーロ感


4月あたりから 先月まで
チチョのインタビューレポートを配布していました。


あれは ペパさん という女性が
たくさんのトップダンサー達へ 質問をし、答えてもらう形での
無料のトークショーです。


初めて このブログの中で その話題に触れたのは
2011年でした!

  8年前の「あなたに質問があります」


もうそんなに前だったんだ!!!



レポート3冊分の インタビューを
翻訳するだなんて ・・・ ちょっと今じゃ出来ひんわ。



それで、この「Tengo Una Pregunta para vos」
(あなたに質問があります)
のスペシャルエディション

先月アップされてました。


白いブラウスの女性がペパさんです。






この動画のコメントで

チチョが2003年、まだ 出始めでルチアと踊ってた頃
ピアソラの曲で 非常にセンセーショナルな出現をした当時から知ってる方が

次のように言っています。


彼のようであるには
 まずは ミロンゲーロである必要がある


チチョは ただ長くタンゴをしているだけでなく、
彼自身がタンゴそのものだ 



と。



まったくもって 同意です。


ここで言っている ミロンゲーロというのは
単にスタイルで アブラッソの形や 腕の位置や シークエンスの特徴などを
言ってるわけではなく


タンゴ文化を愛し
タンゴ文化を尊敬し
タンゴ文化を継承する意思がある者 

というような意味でのミロンゲーロではないかと思います。



フロアを大事にすること、 
エレガントな立ち振る舞い、
ミロンガの質をあげる一人としてのオシャレや、
襟のついたシャツを着ることや、

そのような

 粋な大人の集う場がミロンガで
   粋な大人がつくるのがミロンガ 

ということが含まれた ミロンゲーロ というワードなのかな と。



チチョのイメージとは真逆のような 印象かもしれず

これだけ タンゴのコード(しきたりとか色々)を
ぶっ壊してきた人なのに?! とも思われるかもしれませんが


根底として 
感覚として

アルゼンチン人であり
移民の祖先を持ち
ブエノスっこであり

ミロンガのざわめきを感じ続けてきた

という根っこがあるからこその

コード破り である  という  ね。






ちょっと私は英語が苦手なもんで
この新しいインタビュー は わからなかったんですが、

実際にその場で生の声を聞ける人はいいですね。

羨ましいなあ。





に しても この企画
よく続くなあ〜。。。。

ペパさん すごいなあ〜。


ブエノスによく遊びに行ってた頃は
ペパさんがオーガナイズするミロンガへも
時々行ったものです。

なつかしい。




また明日^^







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2019年8月29日木曜日

タンゴの花形ステップと言えば ラピス!!

足先で床をなぞるように円を描かせる動きを
ラピスとか ルーロとか呼びますが

アルゼンチンタンゴのステップでよく使われる動きですね。

もっともポピュラーな形としては

男性がラピスするとき、女性が「後ろ 横 前」とヒーロするものですかね。

Giro con lapiz ヒーロ コン ラピス です。


ここのところ土曜日にヒーロ特集を隔月でやってますが

ひとくちにヒーロと言っても本当に様々な入口 出口 やり方があるので

まとめて 色々なアプローチで練習出来てるのはすごくいい感じですね。


また今週も ラピスを使ったヒーロをやろうと思っています。
なんと言っても 男性にとっては これが出来るようになったらかっこいいなー って
一度は憧れる動きなのではないでしょうかね?

私の長年にわたる調査結果から Giro con Lapiz は花形ステップなのだろうと
思っているのですけど(笑)



それで、今日のレッスンでは、そのラピスを使って
でも ヒーロではない形で 遊んでみる いくつかのパターンをやってみました。


サリダで女性がクロスしたところから二人で一緒にラピスをしたり、

男性がラピスをすることによって クロスをほどかせ、サカーダに入ったり、

ラピス的な動きをしながら 前オーチョをさせたり
(今日のインスタでゆーすけ先生がやってます)



ただ、ラピスと言ってもですね

これ 私はレッスンの中で ものすごく何度もしつこく言うことなのですが

円を描こうとしちゃダメ なのです。


結果的に円が描いているように見えるだけであって、
なぜ円のような働きになっているのか を知らなきゃダメよ と。

例えば、円を描いてるように見えるけど 実際は

縦 という働きと 開く という2つの働きから構成されている とかね。





















実際、曲線 というものは 実はほとんどない と思っておいた方がいいと
私は思っています。

曲線から先にイメージしている人のほとんどは
ちゃんとリードしていないし、
ちゃんとフォローしていない と。


これはなかなか文字では伝わりにくいことなのですけどね。


男性が女性をヒーロさせるために使うラピスも
胸から 使われていないと ただ足だけまわしただけでは
ダメですよ ということですね。


曲線から入ってる人は 軸がナナメになっていたり
頭の角度が曲がってることも多いのですよね。

まっすぐ立った軸に対して
絞ってるか 絞ってないか
そのどちらかでしかないのがタンゴの体です。

シンプルに1歩1歩 まっすぐでありましょう。



おわり




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2018年10月16日火曜日

エネルギー問題について考える 2018 その2

エネルギー問題についてのお話をするその方法はいくつかあって

続入門で 最初に説明する時は 向かい合って手を合わせた状態の

イメトレから入ってます。
いい画像が見つからなかったんだけど・・

だいたいこんな感じでですね。




二人で押し合います。


なかなか言葉で説明するのは 難しくてですね

それでいて 適切な画像を探してる時間もないので




しょーがない

もっと わかりやすくしますとね




























わかりやすく。

これ手です。




こうして押し合ってる間、強弱のエネルギーと方向のエネルギーを
同時に調和させてるわけですね。


最初は 適度に押し返す という意味がすっと入らない方もいますが

何度かやるうちに 徐々にわかってきますが・・・



でも、これをみんなにやってもらうと、どうもうまくいかない。


重ねた手が、その場で動かないままになってしまったりですね、

では どちらか一方の方が 動かそうとすると すごく強くなってしまったり

軽すぎてしまったり、




お互いが遠慮して 妙に弱々しい力加減のまま ジリジリと数ミリずつ動く・・とか


ともかく おかしな感じになってしまうのです。




どうして こうなってしまうのだろう、と 悩んだのですが それは



エネルギーの終点のビジョンがないから  

だということに気づきました。




このイメージトレーニングは 関節の柔らかさや

関節の曲げ伸ばしの共有をも 同時に感じ取れるようになる

優れたトレーニングだと思っています。





最初に向かい合って 手を合わせた時、

二人の関節は曲がっています。肘も。手首も。



一方が押し始めた時、終点までいけば その肘は 

最終的には伸ばしきることが出来ます。

この場合 そこがゴールです。








青い人から先に押し始めた時、青い人は明確にこのゴールの位置を
意識して押し始めることが必要です。


ここまで行くぞ と。


その青い人が持っている ゴール位置のビジョンを 受け取る黄色い人も
感じることで、

適切な速度が生まれ、調和されます。


黄色い人も 「ああ 青い人は あのゴールへいきたいのだなあ」と、
感じ取ることで、正しい強弱 、重さで 受け取り続けることができるのです。




よく踊ってる時に、女性さん達に 相手のことをどこか一点だけ
じーっと見つめ続けてるのはよくないよ と言うことがあります。

視野を狭くしててはいけないよ、と。


これは 相手が どの方向へエネルギーを発してるのか
掴みにくくなってしまうからです。




男性も 同じく、女性の方へずっと首を曲げたまま 見つめたまま
踊り続けたりするのは、互いに踊りにくくなる上、
フロアを流れてゆけなくなってしまいます。



そもそも 男性は 前のペアの動きにも注意を払いつつ、自分のスペースが
出来たら 進まなければならないのですから尚更です。



私は 男性に組んだ状態でステップを教える時、



次はこの手の下へリードして、

その次は肘の下から肩の下・・・

といった具合に 女性に着地させたい場所を伝えてゆく方法をとります。



二人の間のエネルギーフォールドは 
非常にはっきりしているのです。









肩 肘 手  肩甲骨の後ろを通って 円で繋がる フィールドは

柔軟に変形します。


だから 枠を (腕を)固めてるのはダメだし

ふにゃふにゃもダメ。



まあ、そんなわけです。



最近、続入門クラスの中で このことを伝え始めているのですが

たぶん伝わってるのは 今のところ ほんのごく数名だけなので

気になってました。





少しは言いたいこと 伝わっただろか?













2018年10月15日月曜日

エネルギー問題について考える 2018 その1

エネルギー問題については、クンパルでは最初の入門コースを終え、
続入門クラス(レベル1)からその指導が始まります。

つまり最短で、4回目のレッスンの時に エネルギー問題に触れるという
ことになります。

クンパルレッスンの中でも、地味にこのエネルギー問題という
裏テーマが、欠かせないものとなっていまして、

青山の頃から 12年以上クンパルをやってきて、このエネルギー問題に
触れる というタイミングは

どんどん どんどん 早くなり、ついに4回目で という最短のところへ

きてしまったわけです。



それは、後にすればするほど 同じクンパル生の中に

「エネルギー問題を習ったことがない」という人が出てきてしまいかねず、

それを何としても避けるために、どーしたらいいか 考えた時、


早い話が とっととやってしまえ ってところへ落ち着いたわけですが。


それでも、続入門の中で触れるエネルギー問題は ごく初歩の部分ですけども、

最近、4回目というタイミングで導入するようになった成果をすごく感じています。


最初のレッスンで 超フラフラして 生まれたての馬のようだった生徒さんも
エネルギーが 整ってくることと、足取りが安定してくることが
本当にピタッと比例し、そこへ至るのが 早くなってきたように
思えるのです。


いろんな 難しいステップに入る前に

ボックスとサリダ という超ベーシックの中でのエネルギー問題に

挑むので ステップに気をとらわれずに集中しやすいためではないかと

思います。



タンゴを踊る エネルギーには 3つの種類があります。

    強弱 のエネルギー
    方向 のエネルギー
    感情 のエネルギー


これまで 私自身の中では この3つを理解していたつもりでいたのが、

生徒さんたちへ ちゃんと言語化して伝えきれていなかったことに

ようやく気づきました。



クラスをしていて 1回目や2回目に教わったことがうまく出来ないことは

当然のことですけど、

複数回、なんなら何十回もやっていて うまく出来ないのだとしたら

それは完全に教え方が悪いのだと思っています。


何かしら伝え方が間違っている部分があるのだから、

伝え方のリニューアルをどーにかして考えるべきでして・・・



それで、じっくり考えてやっと気づいたのですが


私が伝えてたのは 強弱のエネルギー だけだった ということに ですね。


強弱

方向

感情


3つのエネルギーの中でも、感情エネルギーというのは ちょっと別枠のもので

ハイレベルですから、ここにはあえて触れません。

その話はちょっと置いておきましょう。


強弱のエネルギー と 方向のエネルギーはセットで考えてて

強弱が整えば すなわち 方向も整うもの


私としては そこをまったく疑わず 当然のことだと思っていたのですが


それこそが 罠だったのです。


人生で初めて ダンスに触れ、しかもそれがタンゴで、

エネルギーを相手と調和させなさい って なんじゃそりゃ? という

生徒さん達にとって 「強弱エネルギーと 方向エネルギーがセット」であることは

ちっとも当然のことではないので、


その2つの繋げ方 を伝えてあげなきゃダメなんじゃーん!! という

気づきを得たわけです。  おそい!私!!




もう今 ぜんぜん 話についてきてない人 続出ですよね。


ちょっと 「その2」で図解入りで説明します。




もう エネルギー職人になってきたな わたし。



2017年1月9日月曜日

世界とブエノスのミロンガ考察 〜その2〜

はい、 どーも。


それで、ブエノスと世界を見た おぎりん先生らしい見解 のことね。

はいはい。
忘れてません。

これは もう6〜7年前くらい・・に言ってたことだから
すでに古いんだけど、
 タンゴは「相撲現象」だと言ってたのですよ。彼は。


選手権の影響もあって、世界中のタンゴ好きな人達が競って
上を目指すようになっていったんですよね。

アルゼンチンタンゴなんだから アルゼンチン人が一番うまいに
きまってるよね という現象が そうでもなくなってきた と。

選手権では どんどん外国人の中から 超絶スピードとか とんでも運動神経な
雑技団的なのが 出てきたり ってことですね。


お相撲は日本の国技なのに、ハワイ出身の曙が外国人初の横綱になった後、
モンゴル出身、エストニア出身の力士などの活躍が台頭し、
やはり日本人力士活躍のな少ない寂しさを嘆く声もありますよね。

その様子と タンゴの外国人活躍の様子がよく似てる と言うのですね。


なるほど それはアルかもねー、 って思いましたね。


ここ10年で 外国でもしっかりタンゴが広がり ブエノスへの
タンゴ観光客もどんどん増加し、逆輸入的にブエノスでもまた
若くてスタイル良くて運動神経いい人が タンゴを始めることも増え、
結果的にブエノスもまたレベルが上ってきてるのかもね かもね。


今のブエノスは 外国人観光客が 自分たちのテリトリーの中へ
入ってきたことを 認め始めた というかですね、
受け入れる感じがあると思うのですけどね、

私が初めて行った頃は 本当に よそ者はよそ者だし、
  
   ほとんど じじーしかいなかったし(笑)


お前ら外国人に アルゼンチンのこの複雑な移民文化そのものから
生まれた踊りがわかってたまっか みたいなのがね

あったでしょーね、そりゃそーだよね。



と、まあ そのような話でした。



今日のところはこの辺で。

またね(・∀・)









2017年1月4日水曜日

世界とブエノスのミロンガ考察

あっという間に冬休み終了  って感じ(;´Д`)

あーあ。

かなり寝ました。
毎日11時間ずつくらい寝てた(笑) はは。


あの、忘年会の時にね、何人かと話題になったのですが

一人 去年ブエノスへ行った方がいてね、

まあ 正直あんまし面白くなかったですぅー    っちゅーことでね、


私 その方が行くって時 言ったんですよ、

    その人 まだ入門の3回しかレッスンして
    なかったんで(;´∀`) 踊れてないじゃないですか、

    踊れてないし タンゴのことまだ全然知らないじゃないですか、

だから

「ブエノス旅行は素晴らしいし ぜひおすすめするけど
 ミロンガとか行くなら 正直あんまし楽しめませんよ」   ってね。

で、まあ 案の定「楽しくなかったですぅー」という話だったんですけど。



誰も踊ってくれなければ見向きもしてくんないしね(笑)
あちらのミロンガでは、踊れるのは当たり前か
よそ者だと 誰かと踊ってんのを みんな見てて

   「へー あいつ踊れんじゃん  いっちょ誘ってみっか」ってことに

なるわけで、

なので見せびらかすチャンスがなければ せっかく上手でも厳しかったりするかも
なのですよね。


その人の場合 かわいそーだから みたいな感じで

年配の方が踊ってくれたらしいんですけど、 入門3回 って
タンゴ人としては ほとんど赤ちゃんですから

その赤ちゃんを見せびらかしちゃうと もう本当に次からは
誰とも踊れない状態が ひたすら続いちゃうんですよね。。。


とまあ、そんな話をしててね

   「マジっすか? 本場はきびしーっすね。」 って

聞いてた他の人 は 言ってましたけど


  「じゃあ、じゅんこ先生くらいでも 踊るチャンスがなければ
   誰にも誘われませんか?」 と尋ねられまして


そうですね。
踊らなければ ね。 それもあるかもね。

いっぺん 踊って見せびらかしゃー もう 入れ食いよー  (笑) 




とかね


馬鹿なこと言ってましたけど(;´∀`)


       わざわざ 画像だしちゃう辺りが
       あー 冬休みだなー って感じです。





ただね、時期にもよるんですよ。

何かフェスティバルとか、選手権の時期とかで
世界中から観光客が集まってる時期だと、どこのミロンガ行っても
観光客だらけなので、レベル関係なくだいたい踊れますよね。


でね、だからブエノスの人って すげえ練習するよ って話なんですけどね。

やっぱり グループレッスンにこまめに行って
ちゃんと練習してますよ っちゅーアピールもあり、
そこで顔見知りも出来、
だからミロンガに行っても楽しめるようになる ってことでね。

ブエノスって そんな感じだと思うんですよね。

ピラミッド型  みたいな。

本当に上手な人は、本当に上手な人としか踊らないですし。


だって、この踊りのエネルギーって 本当は同じレベル同士のエネルギーでないと、
お互いふたりとも 気持ちいい とはならないですからね。


みんなも 上手な人に踊ってもらったら 超キモチイイって経験はあると
思いますし、 でも ちょっと自分より後輩さんと踊った時は
気持ちいい というより 動いたって感じ  とか
へんにチカラが入って腰が痛くなった とか
手が痛くなったとか  そういう経験はあると思いますけど

つまり そのように レベルの違いはエネルギーの不調和を生み出しますから
単純に体力的なところだけで見ると カラダには無理をさせてるとも
言えるわけです。



ただし、それは

   単純に体力的なところだけで見たのであって

それと ミロンガ全体の調和とか、コミュニケーションとか、思いやりとかは

別の話になるんですよね。



で、そのブエノスの下克上っぽいそれですけど、


うーん、まあ ブエノスはまだしばらく こんな感じかもだけど

世界的に見ると、よその国は そんなことなくなってきてると思うのです。


 かなり個人的な感想ですよ。

 あるいは 単なる私の理想、妄想だけかもしれませんけど。



世界的にはですね、初心者に対しても、せっかく遊びに来たんだから
タンゴの楽しさを知って帰ってもらいたいな  とか

そんな気持ちから ウェルカム であったり、

そーいう調和的ミロンガ が増えている  そうなりつつある と

私は思っているのです。


クンパルは8年前にビギナーズ・ミロンガを始めましたけど

それ以前は日本で 初心者が踊れるミロンガは皆無でした。



なので、結構練習して 勇気を出してミロンガ行ってみて
しばらく座ったままで よく観察して(座ってて)

観察して

観察して

観察して



もう一歩の勇気は出ずに 撃沈して帰る

   というのが ミロンガデビューのお約束のような感じでしょーかね(笑)


大袈裟かもしれませんが 10年以上前にタンゴ始めた人は

 まーそんな 感じだった とうなづく人もいるんじゃないかと思いますけど。


うちのおぎりん先生は そーだったらしいですよ(笑)


ただね、それもそれで良かったところもある と思ってるのです。


だって、ミロンガって混み合うし、ピスタの流れ壊しちゃだめだし、
初心者のうちは はっきり言って無理なもんは無理ですもん。
だから

観察して

観察して

観察して   の時間ってすごく貴重なんです。



誰もルール教えてくれないから、自分で観察して、まわりに聞いて、
少しずつ覚える という時間ね。
だから自分で「タンゴ感を養う」とか 「チカラをつける」感じがするし、

それと、自分がこの輪の中へ入るのは レベル不足だ とか

まだ相手を楽しませられない という謙虚な自覚とか、


そーいう沢山のことが必要だったんですよね。以前は。




今は、ビギナーズミロンガで 最初にルールの解説があって

何がタブーで、何が必要か すべて教えてくれて

聞いたその場で もう踊れる って状況がつくられててですね、


それは タンゴの楽しさ 素晴らしさを広めるために

ぜひとも 何としても必要だったからです。

このビギナーズミロンガは、そもそもクンパル生が提案してくれたことで


彼らは どうしたらせっかく入門した人達が ミロンガにびびって
やめてしまわないようになるか、
どうやってもっと仲間を増やしたらいいか、
入門コースの構造から すべて私たちに 助言 提案してくれたんですね。

もう ほんと 超感謝してるのです。



だからね、なんか まとまらない感じなんですけど

どっちがいいとも 言えないな と。



で、ブエノスはまだ ちょっと厳しいミロンガの感じは 続くでしょうけど

    それはそれで仕方ないのですよ。
    だって否応なしに レベルが上っていくんですもん
    発信地であるからには、ハイレベルですわ そりゃ。

    またこれも私感ですけど 20年前のミロンガより
    今のミロンガのほうがブエノスの地元の人達のレベルが
    ぜんっぜん上がってる気がする。
    昔はもっとふつーのおっさんとか (笑) いっぱいいた気がする(笑)


世界的には 調和的ミロンガ志向になってるな っていう

近頃の私の感想です。



なんか この手の話

ひょっとしたら前にも このブログで書いたことあったかもしれませんね


ばばー 言ったこと忘れちゃって何度も同じこと言い出したりしますからね
油断も隙もあったもんじゃないっちゅーか(笑)



ところで、この世界的には  ってあたり、以前、おぎりん先生が
ちょっとおもしろい
いかにも彼らしい 見方をしてたのを 今ふと思い出しましたので・・・








また そのうち書きます。






         



              なんつって
              ばばー
              それも忘れちゃったりするんですよねー(;´Д`)











この  ばばー  のところは 毒蝮三太夫(マムちゃん)を思い浮かべてます。



では、また。



2016年7月21日木曜日

女子の左手 その2

先日のようにここに書くと
では そのレディーステクニカでお話した
左手の哲学とは何ですか? と気になってしまいますね。
そーですよね。

手から発する強弱についてなのですけども

例えばね、化粧水をお顔につけます。
手でパタパタします。

どの指を使ってます?

外側3本 中指・薬指・小指  ではないですか?

人差し指・中指・薬指 というセットの方もいるかもしれませんけどね。


外側3本セットだと、強弱としてやわらかくなるように思います。

人差し指と親指は最も力が入る指なのでね。


薬指の語源は 昔 お薬を水で溶かしたり、塗ったりするときに
使ったから、という話です。
5本の指の中でもっとも使用率も低く 清潔である とか
そんな話もありますけど。

誰か、自分ではない誰かに お薬を塗ってあげる時、
人差し指で塗るとちょっと強い気がします。
薬指の力具合がちょうど優しい感じではないでしょうかね。

それでね、
私はアブラッソでお相手の首元や肩に触れる手は
外側3本を使ってますよ というお話をしたわけです。

女性の左腕は 男性の右腕にそわせておきます。

もし、お相手がアブラッソから何か アクティブな動きに入りたい時など
女性を離して距離をとりたい意思を伝えてきたら
女性は 腕をスライドさせて浅くホールドしますが、
その時も 相手の外側のラインを、自分の腕の外側でそわすように、
私は動かします。

もっとも浅い状態で、相手の右ひじの下に そえるような感じになります。


この使い方は アニータの動きをみて、研究し、ぬすんだものです。

あるいは、ぐっと軸をキープし、強く立つ時などは
手の平をしっかり開いて 指先を床に向ける ということもします。

それらを瞬時の判断で使いわけていってるのです。


それによって動きやすさがまるで違ってきます。



それと、タンゴとはなにしろ「感じる」ことがすべてです。

「覚える」ものではなく「感じるダンス」なのですね。




自分の顔を(頬を)手の平で覆って触ってみて下さい。

しっかり手の感触を 頬で感じてますね?




では、その手の平を わずかに頬から1cmくらい離してみて下さい。




どうでしょう?

わずかに離れてる。
でもすぐそばに手の平がある。


この方が、より繊細にその手の平のぬくもりを感じませんか?
あるいは、研ぎ澄まされる。
集中できる感じがあるのではないでしょうか?



背丈のバランスなどによって、踊ってる時、お互いの頭がべったり
くっついてしまうのは 仕方ないことですけど、

でもべったり触っている感じ方より、わずかに触れるか触れないかの
距離をもつくられるタンゴというのは
かように繊細であるものだ  と


これは、私が師匠から教わった大切なことの1つです。


と、こんなお話をしたのですよ。


ケチケチしないで(笑)みんなにシェアします(・∀・)




タンゴを習うのに足元ばかりを見てたらもったいないですよ。
そのステップになるために、どんなエネルギーが働いてるのか、
その波動を感じ取ることで、繊細さをも習得されてゆくはずです。



ふふ。










2016年7月17日日曜日

アブラッソは心の距離なのです。

今日のレディーステクニカでは

女性にとっての左腕の使い方 について 私なりの哲学(笑)を
お話させて頂きました。

アブラッソのとき、
相手が距離をとりたい とき、
サカーダやガンチョなど アクティブな動きをする時、


タンゴは  その人の持ったタンゴに対しての感覚や
向き合い方、理解の仕方、様々な背景などによって踊りが変わります。

私には私がこれまで経験してきた様々な出来事が絡みあって
ジュンコイズムなタンゴ が出来てきていて、
そしてそれは今でも現在進行形でつくってる最中なのです。

つくってる最中ですが、その過程 過程 で 可能な限り
それを言葉に置き換えて、伝えてゆくことが私の役目であると
思っています。

口伝による伝承芸術なのですから。


でもそれは、生徒さんとの関係にもよってきます。

私はタンゴを教えるプロとして自分に自信を持っていますし、
生徒さんの成長過程をみて、
必要なタイミングで伝えてゆくことも大事なことだとよくわかっています。
段階 という点は非常に強いこだわりを持っていますので
まだ早い という人には絶対に先に進ませません。

あるいは、同じことをどのクラスでもいつでも伝えているわけではないので、
生徒さん自身が 必要なお話を受け取れていない場合もあります。

例えば

 私 先生からアブラッソ習ったことない

という方もいるかもしれませんが
 
 技術的にまだ未熟で (自分でちゃんと立てていないとか)
 教えてもらってないのかもしれませんし

 他のクラスではやってるのに、いつもそのタイミングで
 そのクラスに出席されていない のかもしれません。

後者の場合は でもやはりその人自身が そのタイミングを受け取れる
状況にまだ至ってない ということだろうと思うのです。

ちゃんと必要なときに それを受け取れるようになるはずですから。


今日の左手の使い方や 微細な相手への意識の持ち方など
本当に女性として繊細なことを
全員にもれなく伝えたい気持ちであることは
もちろんなのですが、
そーいうわけなのだよな とも 冷静に考えると思えてしまうのですよね。



クンパルだけで習ってたってアブラッソ教えてもらえないじゃん と

そんなことを外で言いふらしてる輩がいるらしい という話を聞いて
とても複雑な思いがしました。

その人は「その時」ではなかったのでしょうね。

 私は色々なところで色々なことを習ってるのよ と
クンパル生のことを見下して 優越感を持っているのかもしれませんね。

どこへ行こうが 自分が最初の歩くことからサリダを教えてもらった
先生への感謝の気持ちさえ持てないような人が
この世のどこかでタンゴを勘違いして踊っているのかと思うと
虚しい気持ちでいっぱいになってしまいます。
もちろん 私に感謝しろよ なんて言ってるわけではありません。

アブラッソというのは 単純に「近い」とか「くっつく」という
感覚で覚えてもらいたくないのです。私は。

アブラッソというのは 相手を尊敬し、心が平らかに向かい合わなくては
心地よい感覚を相手に与えてあげられない、と 私は思っているのです。

アブラッソ って心の距離です。
してもらう のではなく、 してやる んでもなく、感謝を伝える のがアブラッソです。

心が未熟であれば安易なアブラッソなんか しないほうがよいです。
迷惑なだけです。

なんだか 文字におこすとエラソーな感じになっちゃってすみませんけどね。
私だって未熟モノなくせにね。 ふふん。


まあ いーや。。
ともかく
指の角度までを授業でお話する というのは
私にとっては ほんの少し勇気のいることです。

そんな ジュンコイズムを喜んで聞いてもらえるだろうか とね。

でも、今日の生徒さんたちのような学ぶ姿勢を持った人達の瞳を
みると
ああ、これを聞いてもらえてよかったなー と
とても幸せな気持ちになります。



過去ログから こちらの記事「アブラッソ」もどうぞ。
もひとつ 「女子の左手」という記事はこちらです。