2014年1月21日火曜日

やっぱり靴が好き その3


ああ 案の定 筋肉痛・・・・・━━(;゚Д゚)━━


つづきですが、

例の じゅんこモデル の靴を作った頃
年に2回ずつくらい、割と頻繁にブエノスへ行っていました。

で、暇さえあれば あちこちの靴屋を見に歩き、
気に入れば 工場も見せてもらい、
どこでも行ったんですけど。

それでも なかなか良い靴に出会うのは難しくてですね


以前からブエノスへ行くたびに ママと呼んで親しくさせて頂いてた方が
いまして、日系の方の奥さんで、彼女はアルゼンチン人ですが
日本語はカタコトでベラベラって人でした。


それで、そのママは 超豪快な人で
私はいつも 痩せすぎていることや、練習が足りないとか、
口の聞き方がなってないとか、
とにかく何かにつけて怒られてばかりでしたけども。


そのママに どっかいい靴屋を知らないかと尋ねたところ
それなら ダンサーが御用達にしてる店がいいだろう ということで
グロリアと話を取り付けてくれました。

そんな暇があったらもっと練習しろとか散々怒られながら・・ね。


グロリアというのは、あのグロリアとエドワルド。
1980年代 世界中を虜にした舞台「タンゴ・アルヘンティーノ」の
メンバーです。

日本にも何度も何度も来ています。


まだまだ私がヒヨっ子だった頃、彼らが来日の際
レッスンをつけて頂いたりしたことがあったので、よく知っていましたし、
そのグロリアの贔屓にしてる靴屋を紹介してくれるというので
私のテンションは上がりました。



靴屋はブエノスの中心から車で40分くらい行った感じだったかな・・・

感覚的には石神井公園とか、武蔵関とか なんか そーいう方へ行ったような
感じの住宅街です。

住宅街ったってね、日本みたいに家が密集してるわけじゃなくて
すごく道幅は広くて、隣の家は結構遠いんですけどね。



その靴屋はすごく古くて、店先には ぶっちゃけすごくダサい靴が
並んでて、ちょっと埃をかぶったような靴屋でした。

でも、グロリアが言うには ここの主人がつくる靴は最高だ って。



店の奥から出てきたご主人は とっても人のいい優しいお顔をされてて
「やあ!グロリアから話は聞いてるよー」と快く迎えてくれました。

それで 私の好みに作って欲しいこと、それを日本に持ち帰りたいことを
懸命に説明してみますと、
奥から ご主人の倍くらいの身体つきの奥さんが電卓を片手に出てきまして

値段の交渉は私に任せろ ってな感じで 超ビビリましたっけ。


奥さんは確か カリーナだか コリーナだか可愛いお名前だったと思いますが
私は勝手にゴンザレスと心のなかで呼んでました。



ゴンザレスの店でもまた  製造してるところを見せて欲しい と頼んでみました。

見せろも何も、すぐそこだ、とゴンザレスは店の奥を指差し、

驚いたことに ほんの6帖ほどのスペースで ゴンザレス一家全員で
手分けして作っているのです。

子どもが革にチョークで印をつけてて
おばあちゃんが それをハサミで切ってて
おじいちゃんがミシンをかけています。

ゴンザレスの旦那がヒールの取り付けなんかをしています。



なんだか 声も出ないというか・・・・・


この現代で このようにして モノづくりをしている一家 って・・・
素晴らしいなー と、 ひたすら感動してしまいました。


ゴンザレスは 「あたしが革の買い付けに行くのよ」と
なにやら威張ってましたけどね。



ゴンザレス一家とすっかり親しくなった私は
ちょこちょこ顔を出すようになり、そうして じゅんこモデルが
出来上がった というわけです。




でもね、ゴンザレス一家に最後に会った頃・・・

「最近はすっかり違った素材で、華やかな靴がどんどん出てきてね、
うちなんか全然売れなくなっちゃったわ・・・あーあ」 と

かなり落ち込んだ顔で嘆いていました。


ちょうど世の中にコム・イル・フォーが出回り始め、
他の靴屋もどんどん その技術を取り入れ始めていましたからね・・・


そして
私も ゴンザレスを離れ そーいった華やかな靴へ鞍替えした一人なので


なんだか 後ろめたい気持ちですけど。。。(T_T)



それにしても、ぶっちゃけゴンザレスのところとの仕事は
超やり辛かったのですよ。。
何しろお金のやりとりの方法が何もなくてね・・・
あっちはすぐに銀行が凍結しちゃうし、カードなんて もちろん使えないし、
ほんと外国との仕事は 無理だと思うわ。。。あそこには。。。

支払いをしに ブエノスへ行く なんて今じゃ絶対したくないしっ(笑)


靴めぐりの旅の話で これまで再三でてきてる
ウルグアイの靴とは このゴンザレスの少し後で
出会ったのですよ。



ところで
さっき話題にでた グロリアとエドワルド

なんと50年以上もペアを組んでいるんですよ!!


エドワルドって幾つくらいなんだろ?? 75・・76・・77??
たぶん それくらいじゃん?
グロリアの方がもっと若いけど・・・65・・?・・66?? たぶん。


でもね、そんなに長くペアで 今でもまだ踊ってるって
すごいことだよねーーー!!!

ほれ   これ一昨年の。





会場の湧き方があたたかいよね。

グラン・マエストローーー!!!('∀`))// バモーーー!!!






新しい靴を履いて ウキウキしてる女の子
たくさんの靴を前にして どれにしようか迷ってる女の子

あらためて思うのは

私自身が靴が好き というよりも

私は
靴を前に喜んでいる人の顔を見るのが好きなのかも

pivotに来るお客様は本当にみんな幸せいっぱいな
素敵なお顔をしています。

あのニコニコ顔が見たくて 世界中を探しまくれるのかもな〜。




明日は最終回です(・∀・)






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