2018年9月10日月曜日

言語教育の重要性について その2


タンゴのステップ名は動きの特徴によってついてる という話でした。

つづきです。


私が メディオヒーロ と理解している 半回転の動きを

メディア ルナ 半月 と呼んでいる 教室もあります。


私が バイベン と呼んでる 動きを クニータ と呼ぶ教室もあります。



更に ややこしいのが

私がカデンシアと呼んでるものを バイベンと呼ぶ人もあり、

私のバイベンと その人のバイベン

言葉が同じバイベンであるのに まったく違った動き

ということまで出てくる始末です。




かように タンゴのステップ名は 人によって様々なわけです。


ステップ名だけでも そのような混乱はありますが

このダンスの基礎的なことを教えてゆくにあたって 講師が
どんなメソットを組み立てているか という点でも
扱う言語の意味が大きく変わってゆくように思います。


クンパルでは 入門でオチョ を往復の動き(8の字そのまま)で教えてますが

早い段階から、しかしそれを往復で覚えてはいけません

       片道の仕組みを知りましょう  という点をかなり重要視して練習します。



なので続けてゆくうちに「後退のオチョ」というのを 8の字往復ではなく

  立ってる足に対し、胸をどちらへ絞るか

という本質的な 理解に至ってくることを期待しているのです。



そうすると、レベル3 レベル4 など その場で先生がつくった
シークエンスを
はい やってごらん と投げられた場合


例えば

この右足で 後退のオチョのリードフォローをしてからラピス ・・・ といった

説明があっても まさか8の字往復をしてから というわけではなく

  右足で左絞りをするだけ = 後退のオチョのリードフォロー

ということが
わざわざ説明しなくても 全員に 非常にスムーズに 周知されるわけです。


ここへ至るには レベル2の段階で
シークエンスのつなぎ というのは 
オチョの働きを利用したものの集合体なんだ ということを

繰り返し 練習し、ステップの丸覚えでなく 本質的なところを
捉えてゆく 経験によって生まれます。


必要なのは 表面ではなく 本質的な部分を感じ取ること です。



クンパルでは 今や どれほど経験がある方も どなたも入門コースから
お願いします というルールにしていますが、

この言語教育の重要性が その理由になります。


すでに 半年  1年   タンゴを習った経験がある方でも

私たちには 私たちの言語によって 構築された メソットがあるので

当人も困惑させてしまいますし、そこから一人に対して解説してゆくには
時間がかかり過ぎてしまいます。



ただ、それらの様々なメソットがあるけれど 同じ場所に繋がっている
ことも事実です。

メディオヒーロ と メディオルナ は言葉は違えど同じものですし、
バイベンという動きが あのバイベンと このバイベンは違う動きであっても

タンゴの全体像が捉えられるようになったとき、

そんなのは まったく たいした問題ではない ということに至ります。


あくまでも タンゴは即興のダンスで、

既成のステップを組みあわせて 踊ってるわけではなく

分解すれば すべて1歩ずつ の集合体 だという感覚に至るわけで


そうなると どのような言語であっても 問題がなくなるはずなのです。



ごくごく稀に とても勘が良い というか 感性が良い というか
このタンゴを早い段階から 全体像で感覚的に捉えることが出来る人も
いるのですが、

一般的には そのように至るには 早くても2年くらいはかかるかな と
感じています。



逆に言えば、クンパルでも 3年以上時間をかけて 他の教室できちんと
習った経験のある方であれば、
おそらく全体像として すでに捉えているだろう という期待から

レベル4あたりから 飛び入り可 にしてもいいんじゃないかな なんて

思ったりもしますけども。。。

   
    実際には なかなか むつかしいです。





日に日に 秋の空気ですな。

昼間 蒸し暑くても 夜の風は ずいぶん心地よくなりました。


今月は 振り付けのクラスもあるので
またも休み返上で がんばります。



では (´-`)












0 件のコメント:

コメントを投稿