2018年2月1日木曜日

「ペ」

今年はなんとお陰様で麻布十番へ移ってから10年を迎えます。

青山でラ・クンパルシータをオープンして、ほんの数年で
今のところへ引っ越ししてしまったんですけどね。

そして、本当に有難いことに 引っ越し&10年を共にずっと歩んで下さった
生徒さん達がいて、
私達は青山世代と呼んでますが

ここのところ、青山世代の方で しばらくお休みしてたけど復活 という方が
増えてまして、
まったくもって 本当に嬉しい限りなのです。


以前の私達は 当たり前のことですが、今と同じような知識を持って
タンゴを教えてたわけではなく、
その当時の その時なりに、精一杯の知識から レッスンをしていましたが、

つまり 未熟であったわけです。

そんな未熟な私達でも
今も昔も変わりなく 私たちには私達の 「イズム」があるんですね。

「らしさ」ともいいましょうか。

それは 一言ではなかなか言い現せないものですけども、


他人同士が何人も集まってするグループクラスでは
どこか 根底に「基準」が必要になると思っていて

それは このダンスを構成するシステムとか、思想とか からも来るものかも
しれませんが、

特に複雑なシークエンスを共有しなければならない
ある程度レベルが上ってきたグループクラスにおいて
「共有させておいた方がいい動き方の根本的な何か」っていうのが幾つかあります。


青山時代には まだ 私たちにはそれが何なのか、具体的に言葉で
生徒さんに伝えられる知識をもっていなかったのですが、

1つに 「ぺ」  というのがありました。



ぺ ???


そうです。   です。


もし、今 これを読んで下さってる青山世代さんか、麻布第一世代、麻布第二世代
くらいまで

「ぺ」 で通して 指導してきましたので


きっと「ああ、 ね」 って頷いてるかもしれませんけども。


なんのこっちゃ(;´∀`) ですよね。



今になっては、さすがに私達も ナベイラさんや、チチョさん、マリオさんなどに
直接教えて頂き勉強してますので

私達が とらえていた「ぺ」 とは


アペルトゥーラ であったことが わかります。


アペルトゥーラからの発展 や その根底にある思想というのは

まさしく 私達が思い描き、感じ、つくってきたタンゴの理想システムだったと
後になって 知ったわけです。


それで、今でこそ、その体の使い方 なぜそうなるのか、
それである為に どう発展したいのか、言葉で解説できるように
ようやくなってきましたが、

当時の生徒さん達には

「ここは ってやりなさい」

これで通してきてしまったのですから 我ながらエライこっちゃと
思いますし、
ついてきた生徒さん達もすげーな と感心してしまうわけです。


そんな風に 私が 古くから こだわって伝えてきた
動き方の1つ、アペルトゥーラ 、すなわち「ぺ」

もうひとつは 互いの距離のとり方 ですかね。

女性には 左腕の使い方だけは 全員同じようにしてもらってきました。


おぎイズムの動き方において 女性からアブラッソのまま固定してしまったり
オープンのままであったり すると不都合があったからです。

男性にも おぎイズムの 距離を自在に伝える方法を教えてきましたし、

女性にもそれを受け取るための 左腕の稼働の仕方を教えました。



私の思う限り、こだわって伝えたのは「ぺ」と「距離感」くらいだと
思うのです。

逆に言えば、それでじゅうぶんなのだと思っています。


私達は青山世代を「ぺ」という 表現一本で育て上げ(笑)
それによって 彼らのレッスンは おぎりんのやりたい放題でイケるって
とこまでもっていったという成功体験があります。

あのクラスは本当に楽しかった。



タンゴの基礎を教えることや、
一般的に広く 世間に通じるようなリードフォローや
ポピュラーなステップを練習することは絶対に大事だと
思ってますし、そこにうんと時間をかけるべきです。

でも、教師としては それを経て、本当の私達のタンゴを 伝えられるように
なるというのは

ある意味、私達へのご褒美といいましょうか、
それはそれは喜ばしく、こんな有難いことはないと思うのです。



ただ、誤解があってはいけないのは

私が言ってるところの クンパルイズムを伝えたい とか
そーいうのは

おぎののコピーや じゅんこのコピーをつくりたいということとは
全然違うのです。

そーではないのです。


習う人というのは 先生を真似る ということが絶対に必要です。

教える側は 真似させるのではなく、単純にその技を伝授するのみ に
徹するべきなのではないか というのが

私のポリシーで、

その関係性がピタッといくと、技術があって、なお個性もある という
ダンスになる と思っているのです。


その人の良いところを伸ばす という考えを持てず

自分のそっくりさんを つくればいい と思ってる、あるいは
そのようなやり方をする というのは教師としてよろしくない と思っているわけです。


話がそれたかもしれません。


それで、あの成功体験を ひょっとして もう一度いけるんじゃないか と

最近 欲が出てきました。


昨日、「私2年目なんです」と言ってくれた女性さんがいましたが、
ここ2年 3年 4年と来て下さってる方々の 基礎の徹底ぶりったらないですね!


レベル2のクラスを 一体どんだけ繰り返してることか!!

     (脅されてるから という噂もありますけど(笑))



そーなってくると、同じレベル2でも、そのレベル2に
クンパルイズムを入れるとこーなるんだぜ!!! 

ってやりたくなっちゃうわけです(笑)



それを 私達がやりたくなっちゃうほど来て下さってありがとーね

っちゅー話なわけです。


最近 復活した青山世代さん達も
やっぱり 根底のクンパルイズムは そのまま持ってて
嬉しくなってニヤニヤしちゃいます。





ちなみに 青山世代の子に 「そこアペルトゥーラ でやりなさい」 って
言うと ちっともうまく出来なくて
仕方ないから「ぺ だよ」 っていうとあっさり出来る という
やや困った現象が起きている今日この頃です。




感謝






2018年1月26日金曜日

パソ・デ・ムヘール

去年まで「レディーステクニカ」 としてやっていたクラスを
「タンゴテクニカ」と改めまして、男性も女性もどなたもどうぞ な クラスに
したんですね。

先日はその1回目をやりまして。

去年までレディーステクニカに出てたメンバーにとっては
特に変わりなく、いつも通りのレッスンだと感じたと思います。

確かに女性だけ集まるレッスンであれば
女性特有の足の上げおろしの仕方とか、仕草とか、視線とか、
手の置き方とか、ちょと細かなところを お話に加えたりもしてましたが

それも 別に今後なくしてしまえ というわけではなくてですね

そんな話もしつつ、

でも 男性にも女性にもどちらにとっても やってみて聞いてみて
価値ある内容をつくってゆきたいと思っています。
がんばります!!


この「タンゴテクニカ」の前の時間には

「パソ・デ・ムヘール」というクラスをやりました。
これは男性向けのクラスです。

男性が女性のステップを習うためのクラスです。

女性のステップ と言っても、実際にはステップをやるわけではなく、
女性の動き方 を勉強しました。

男性には 男性役になったり、女性役になったり、どちらもやってもらったので

それによって

良いリードと 良くないリード も なんとなくわかってくるのではないかな とも
思っているわけです。
これは すごい大きな発見になるはずです。


ブエノスでは このような男性が女性の動きを習うクラスは
ポピュラーですけど、

ブエノスのグループクラスでは レッスンが始まるちょっと前の時間とか
プラクティカとかで
男性同士が組んで 自分のやりたいシークエンスがこのリードで通じるかどうか
どーのこーの言い合いながら練習してる姿をよく見かけます。

これはいいですよね。


クンパルでも いずれ 男性陣が 誰とでも いつでも どこでも ささっと
練習出来る とか ちょっと確認できる とか
そんな光景がでてきてくれたらいいなあ〜 と思います。

それって 本当にすごい上達してるってことだと思うんですよね。




男性も女性も 相手の動きは写し鏡なんですよね。
どちらも体の使い方は同じです。

しぼる とか ほどく とか 胸の働き、エネルギー

タンゴは向かい合った相手と同等の働きを交換しながら
会話してゆくんですよね。



男性が、このクラスで女性の動きも理解が深まって
リードをするのが楽になった
リードに自信が持てるようになった

そんなふうに感じてもらえるようになったらいいなーと思います。


楽しく続けられるようなクラスをしてゆけるように
私も研究を重ねてがんばりますね!!


日曜日の貴重な午後、来てくださった皆様
ありがとうございました\(^o^)/




2018年1月5日金曜日

新年のご挨拶

Muchas felicidades Año nuevo  2018 !!!

新年明けましておめでとうございます。


昨年はたくさんの皆様にクンパルへお越しいただき
どうもありがとうございました(´-`)☆

クンパルは今日から新年の幕開けをしております。

今は、お昼のミロンガを終え、この後 夜のワークショップまでの
休憩時間で 私は葛湯を飲んでます。



今年もみんなみんな 一層タンゴを楽しく踊れますように。
心も
体も
健やかでありますように。


どうぞよろしくお願いしますヽ( ´¬`)ノ




2017年12月31日日曜日

今年の終わりに思うこと -2017-

唐突に「今年の終わり」とは関係ないことから入るのですけど、

つい先日
私は家ではラジオをよく聞いているのですけど、

「リスナーからの質問にお答えします。
 私は今年から付き合い始めた彼と 初めてのクリスマスイブを過ごします。
 初めてのクリスマスデートなので緊張します。
 何を着ていったらいいと思いますか?」

と流れて参りました。

DJは 歌手&タレントさん的な まあまあ若いだろうけど そうでもない?くらいの
男性さんでして、ちょっとおバカキャラ的な ですね、

そのDJが答えたのですがね、 少し投げやりな感じで

「あー、いいですね、初クリスマスデートね、
 ああ、あのー いーんじゃないですか?

 そんなにねえ? なんか アレですよね、
 白いコート着てればいいんじゃないですかね?

 大きめなマフラーつけて、
 まあ、その ねえ? そんなにねえ? いーんですよ 別に

 大きめのセーターとかで、袖長くてね、
 指先2センチくらいしか出てねーじゃん みたいな

 いーんですよ そんなの 別に 大丈夫ですよ
 長めのマフラーだったら 二人で巻いたりね」




よくもまあ 公衆の面前で そんな思いっきり自分の趣味さらけ出したもんだな と
感心しましたよね。

白いコートと
ダボダボセーターと
二人で巻けるほどのマフラー という3点アイテムを

まー いーんですよ のノリで揃えられる大人な女性はなかなか
いないんじゃないかと思いましてね。





こんなチッチとサリーみたいの とんと見かけませんよね。


           ↑まあ これで歳バレますよね。だいたいね。





でも素敵なパレハ というのはいいですね。
クンパルでも素敵なパレハがご結婚されたり という嬉しいニュースも
あったので、
そーいうのは 周りを幸せな気持ちにしてくれますね。

赤ちゃん産まれましたよ というクンパルパレハもいましたしね。

良いニュースがたくさんあったな、と思います。


そして、辛いお別れもやっぱりありまして
うん、アレは辛かったなあー。
やっぱりね たくさん一緒に踊った方とのお別れはね、

あの、タンゴの何かステップでね、その人のことを思い出すんですよね。

この動きをするたびに その人を思い出す ってね。

ありがとう、

ただ それだけですよね。



良いことも 良くないことも 
良さそうで良くないことも
良くなさそうで良いことも

無駄なことなど1つもなく  ありがとう  ただそれだけ  ですな。



今年の5月頃、自分が踊ってるビデオを見まして

ほんの些細な小さなことだけど なんかちょっと嫌だな と思う
自分の動きの癖に気づきました。

なぜ そうなってしまうのか
どうして嫌なのか
どうしたいのか を しっかり考えまして

ともかく 直せるかどうかやってみよう と思いました。

それで、以降は その件に関して 「意識的」に過ごすようにしてみました。

過ごすように とは つまり踊るときだけでなく
日頃の生活でも という意味なんですけどね

非常にそこは間接的なことに 広く派生してゆきます。

でも踊る時の小さな癖というのは 踊るとき突然それが生まれてるわけではないんですね。

だから、日頃から 注意深くあらねば ならないわけです。


「癖というのは それが癖だと気づいた瞬間から癖ではなくなる。
 癖というのは無意識にやってしまうことを癖というので
 気づいているなら それをすることを自分が選択しているのだ。」

というのを聞いたことがあります。


私は自分でビデオを見て気づいたわけですから
もう 「だって癖なんだもん」 という言い訳は出来ないわけです。

この癖を直したいのであれば それに対してフォーカスし、
それをしない自分を選択する必要があります。

そして、この年末 自分が踊ってるビデオを見ました。
どうやら だいぶ克服したように思います。
大変満足しました。

ああ、良かったな、がんばったな私。やれば出来るじゃん って感じで。
ちょっと自分を褒めてあげるのは いいことだな と思いました。

それで、そんな自分のこともあって 先日、今年最後のクラスでは
生徒さんにそのお話を少ししました。

意識的でありましょう という話です。
自分を研究しましょう。
先生に注意をされるポイントはきっとみんなあります。

足のちょっとした踏み方。
ゆれる。
まがる。
ひきずる。

何かあるんです。

でもそれです。 きっとそれです。

それ直せたら 本当にすごいんです。上達 きっとジャンプアップします。

だから、本気で意識してほしいんです。本人に。

私にはどーしてあげることも出来ませんからね。


今年の いつでしたか?  「意識と無意識」という新聞記事について
このBlogに書いたことがありました。

あれ と同じことを繰り返すようなんですけどね。これって。




私 よく「ひとりでの練習が大事」という話をします。

あれもね、同じことなんですよ。


ひとりで練習っていうのは 例えばレディーステクニカやらメンズテクニカやら
そーいうのに出なさいって言ってるんじゃないんです。

むしろ そーやって「場を誰かに用意してもらわなきゃ やらない」という所から
卒業出来るかどうか ですよね。

誰かと組んで練習してる時、自分の小さな癖を意識しながら
複雑なシークエンスなんて出来ませんよ。

だから ちょっと一人の時間の時、そのことについて考えて、感じて、
フォーカスしておくことをね、しなきゃ ほんと進みませんよね。

自分ひとりで そんなことに意識を向けてる時、無意識のうちに
そこには誰かがいるんですよ。タンゴの場合。

誰かと組んでる 自分を想定して考えてる。
誰かを感じてる。

その経験を持ってる人って、実際に組んだとき、相手に優しい踊りを
するんじゃないかな、って思うんです。

逆説的だけど、誰かと組んでる状態でしか つまりグループレッスンに出る時だけ
とか 教室に来た時だけ で積み上げてる人は 相手に優しい踊りに
あんましならないかな ってね。 思っちゃうわけです。


意識的である

タンゴに限らず  今年の後半から特に このことにフォーカスし始めました。

ただなんとなく食べる とか
ただ何となく時間を過ごす ということをしないように心がけてみました。

意識的に過ごす という練習が 今年はずいぶん身についたと感じて満足してます。

うん。すごく嬉しいです。

そうすることで、行きたいところへちゃんと行くようになりました。

ただ何となく 行きたいな で終わらせず、
ではいつ行けるだろうか? と考えて 時間をつくって手帳に書き込んで
実行にうつす。

やりたいことを ちゃんとやる。本当にやる。

嬉しいです。



今年のレッスンの中で、「許しましょう 許可を出しましょう」ということも
たくさん言ってきました。

どういうことか と言うと、

例えば ベタなところでは、速度の問題があります。

男性がリードとして女性に情報を出し、
それを受け取るまでには 時差が生じます。

動きが複雑になってくると、男性には足の動き(ステップ)がないのに
エネルギーだけで 情報を出してくるので、その時差はますます大きなものに
なる場合があります。

しかし、女性はその時差がどれくらいのものなのか、なかなか
体で覚えられるまでが大変なのです。

先生に 「早いよ」 と注意をされない女性はなかなかいません。

「この速度でないと追いつかない」
「このくらいの速さが適切だろう」 と 勝手に思い込んでるんです。

リードとして受け取った情報に対し、まー 打てば響く速さで答えてしまったりするわけです。


外から見た、先生のお手本のイメージと
実際に自分の体で動いた時にズレが生じてることを理解できずに
苦しむのですよね。

イメージでは 「この速度だ」と誤った判断をしてるから ですよね。


そうすると、人というのは なかなか頑固なもので

自分が この速さが適切だ と思ってるものだから 修正しようとは
思えないんです。
本来の速度にコントロール出来ないんですね。思い込んでるから。


なので「いいえ、時差があっていいのだ」「もう少し遅くていいのだ」と
自分の中に許す宣言をしてちょうだい
許可を出してあげてちょうだい と お願いしたわけです。


この時差問題は 女性に限らず 男性もまったく同じです。

外周をまわってくる女性の速度のイメージにズレをつくってる
男性も本当に多いです。
そんなにアッという間に、反対側へいけるわけないじゃん ってーのがね
イメージできないわけです。

男性もほんとね これですね。



タンゴの動きでうまくいかない原因のほとんどは
勘違いや思い込み なんだな というのが長年やって 生徒さんたちから
いろんな話聞いたり、動きを見てて思う 私の感想なんですよね。 ほんと。



今年は みんなの姿勢もずいぶん注意深く観察をしました。

いつも日頃の歩き方などから見てるつもりですけど
ちょっとした座ってる時の首の傾け方とか

よく見ていると やっぱり踊ってる時、注意する点とかぶるんですよね。


姿勢で 発揮できる筋力も変わってきますしね。



昼ミロは今年もお陰様で常連さんが毎回楽しみに来てくださって
ありがたく
嬉しく思います。

年齢のいった方も多い昼ミロですが、みなさん元気です。
踊るって やっぱりすごいな って思います。

そして、若さって姿勢なんだな というのが昼ミロから見てて得た結論。

そりゃね、
私もね アンチエイジングなんちゃらとか 興味あります。

食べ物気をつけたりも 今年もずいぶんしました。


でもね、若々しさって姿勢ですね。 うん。もうほんとそう。

これは、ひょっとして意識する ってことで
どーにかいい線いけるんじゃないかとね、 思うわけです。


がんばります。


今年も「先生はもうブログ書くのやめちゃったっぽいですね」とチクリと
言われたり(笑)
「書くの 大変ですもんね」と 労われたり(笑)
「書いてる時間がないほど忙しいなんていいことじゃないですか」と
慰められたり(笑)

サボりがちなこのブログの件に触れられる場面も多くありました。


毎年「今年こそ」を言ってるバカモノですみません。

来年こそ ちゃんと書くぞ!!    










(;´Д`)
 
意識して 書く時間つくればいーじゃん   ← マインドBの声






今年ももうすぐ終わります。

年が明けたら10周年です。

日々日々 タンゴを踊りに来てくださる皆さんのお陰です。



2018年も引き続きどうぞよろしくお願いいたします。