2019年12月2日月曜日

タンゴの魅力

先日から 「腕の使い方」 というお話を書いてたのですけど


基本的にアルゼンチンタンゴでは

腕は使わない 

という通説となっております。


現代でのリードフォローは胸  というのもありますが、


いわゆるサルサや 他のラテンダンスのように

腕を上げたり 下げたり 回したり 伸ばしたり 縮めたりの
アクションが 非常に少ない という意味です。




で、あたかも 動かしていない 使っていないかのような
腕だからこそ これが難しいのですね。



タンゴ初心者の頃は

とにかく どなたも腕が 非常に邪魔になります。

動くタイプの人は どーしても 腕を動かしてリードしてしまうし、

女性でも肘をあげる癖があったり、

ふにゃふにゃ抜けてしまったり、

石膏で固めたかのように ガッツリ固定してたり、


本当に 腕がやっかいなのです。




昔から これ言ってて 笑われるのですが

  人と 猿は 手が器用なので

使えるものを使いたがるんですよ。


だから真っ先に邪魔になる。



なので、初心者さんの頃には とにかく 腕を安定させることから
始めないことには オチョなど 体のしぼりやらに
進めないわけです。




それがですね、
2年経ち、3年経ち、 様々なシークエンスの
ケーススタディを重ねるうち

その腕が安定してきて、本当に胸で リードフォローできるように
なってくると


先生の言うことがガラリと変わってきます。


腕を動かせ  って言い出すんですね。



それで、先日の記事なんかを読むと
皆さん 戸惑ってしまうのですね。


  あんだけ 動かすな って言ったくせに

  動かせとはこれいかに!!!  みたいな ね。




そーですよね。
ひどいよね。



それだけでなく、

あれほど  すべてにおいて リードしろ  と言ってたのに

リードするな  余計なことするな  何もするな

変わってゆくのですから(笑)

まったくね(笑)




女性にも同じです。


自分で動くな   早い まあ待て   って言われてたのに

音聞いて 自分で動け  って変わってゆくわけです。


まったくね(笑)




本当に一段一段、順番に階段を登るしか
方法はないですよね。
タンゴって。


重ねれば 重ねるほど その一段の高さが  紙のように薄くなってゆきます。


最初のうちは 一段の高さがまあまああるので

「出来たー」 という感覚があって  楽しいですよね。


1つ1つ覚えてゆく 楽しさがわかりやすい。



でも  年数が経つほど  その一段が低く低くなり ついには紙一枚ぶんくらいしか
上に上げれない?

あれ? 下がってる?  なんてことにもなる


あぁ 無情なタンゴ。





先生の言うことまで まるで逆に変わってくるだなんて
ひどいですよね。



技術的にも 本当にタンゴは深いです。



なだけに、技術だけでは どーにもならないのも またタンゴ。



技術うんぬんより

いつも言う  エネルギー問題が ものすごく整っていたり

それによって  ものすごーく 粋な表現 が出来たりしてしまうこともまた

タンゴの不思議な魅力です。





で、たとえば あたかも腕は使わないようなタンゴだからこそ、
腕の使い方が上手なダンサーが
すごく魅力的だったりします。





先日 亡くなられたことを紹介した フリオとコリーナ



コリーナなんかは 本当に  腕  肩  頭の角度 腰のふり

そんな 超 小技芸 が上手なダンサーです。


やらしくない ← 大事!
わざとらしくない ← 超大事!

なぜか??!!

例えば 彼女の ごくごくごくわずかに 数センチ肩をすくめるような瞬間は
完全にフリオの出すエネルギーに呼応してるのです。

リアリティーがあるから
やらしくないし、わざとらしくない。



そして フリオほど 腕の使い方で
自分のエネルギーの変化 上昇を 彼女に対して
あるいは 客席に向かって
上手にアピールする人はなかなかいません。


あげる
さげる
はなす

単なる 癖や 演技のようになっている人はいっぱいいますけどね。




ひと味違うんだよなー。。。 彼は。





ああー もう一回 貼っちゃう(笑)



会場の沸き方が尋常じゃないミロンガ
鳴り止まない拍手
踊り終えても 最後のギリまで見ててね。






なんなの? この空気?!




私は、いろんな踊りを見てて 容姿やテクニックだけではなく
どっか惹かれる・・  というダンサーが大好きで、

一体 どこに惹かれるのか?

この人の
このパレハの魅力は 何なのか?
を分析することも大好きです。



そんな時、だいたい  このような 
エネルギーの呼応  のような空気感 にぶちあたるもんなんですよね。。




言葉にするのはなかなか難しい

魅力   というのも深いよな〜〜 







ではまた。








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