2020年1月31日金曜日

罪と罰と前ボレオ

先日 オモシロイ話を聞ききました。

ベテランの タンゴ先生たちから。


ちょうど 今 私は tango jaws にステップ用語集みたいなのを
編集中なんですけどね

なかなか難しいわけですよ。


同じ動きでも 人によって呼び方がかなり違ったりするからね。


先生によっては 言葉を創作しちゃうわけです。

クンパルでいう  サイベン  なんて
世界中どこにも通じない造語ですからね。




ああ、それで、

何を聞いたのかっていうとね


前ボレオ(上段) のことを


 Castigo   (カスティーゴ) と呼ぶ方々がいるらしいのです。


カスティーゴって 直訳すると「罰」なんですね。



前ボレオも  男女どちらも使いますが

軸足に対して 脚をクロスさせて ひざ下をすくい上げるような

だいたい そんな動きですよね。


その動作が 自分で自分に対して課す罰のようだ  という
ニュアンスなのでしょうね。


深いね!


その系列ちゅーか 流派から習ったことのある方なら

ああ アレね、  ってピンとくるのでしょうが


私にとっては  その系列は無縁だったので
まったくの初耳でした。


いえ、初耳だと 思っていました。





その場に一緒にいた、別のベテラン先生にとっても初耳だったそうで
「へーえ」とさかんに関心されてました。



でね


私も かれこれ長くこのダンスに関わってますけど



ほんとまだまだ知らないことってあるし


ってゆーか、そんなくらい 範囲が広く自由なのがタンゴなので

端から端まで知ろうと思ってたら疲れてしまうし
そんな必要ないのよね
って  つくづく思います。



よくね、生徒さんからは タンゴ用語とかで

こっちでは ○○ って聞いたのに
あっちでは ○○ って言ってますが どっちが正しいのですか??


とか


あの先生は間違ったことを教えてる!!


とか   そんなことを言ってるのを耳にすることもありますが



ぜんぜん そんなことなくて

多分 どっちもアリです。




ひょっとしたら  カスティーゴ という単語を使った背景には

その時クラスで流れていた曲が
やや前衛的で ビートの激しい曲であった
が、生徒の女性 あるいは 男性の前ボレオが
ビートに乗らず、弱かった。

そこで 先生は
 「もっと強く!  自分の足にぶつけるくらい!
 Castigo と思って やってごらん!!」

なんていう会話があって生まれたのかもしれません。


想像ですよ。 ただの。

でも、そんな風に ステップの名前って ふいに新しい呼び方が
生まれたり
消えて行ったりするものだ  ってこと。






ところで!  こっからやっと本題(笑)


このカスティーゴを先日 雑談の中で聞いた時は


「へーえ 初めて聞いた」 なんて言ったのですが

「あれ? 純子先生の師匠も使ってましたよ」


って言われたんですよ。





それで  帰りの電車の中で ハッと電撃的に思い出しました。



Catigo  ー  ー 前ボレオ上段






私も修行時代、なかなか 前ボレオを しなやか かつ 力強く 上げることが
できずに悩んでおりましたが

師匠から 自分のお尻に痣ができるまで稽古しなさい  と

言われたことがあります。


きっちり実行し、何度も何度も  毎日毎日
自分の反対側のお尻へ 反対の足のハイヒールをぶつけ続けました。

足を反対側のお尻まで届かす為には 上半身をしっかり絞らなければ
到達しません。

単に足だけを力任せにあげていても、うまくいかないのです。


なるほど  そーいうことなのか!  と
前ボレオの 体の使い方を痛みとともに覚えました。


スパルタでしょ?(笑)


本気で お尻が痣だらけでしたよ。


こーなると 確かに Castigo 罰  ですな。



現代をもって こんな教え方したら
ネットで書き込みされて ディスられる ってとこですかね。。。




私も あの当時 師匠に対して
こんなに痣になるほど やらせるだなんて ひどいな なんて気持ちが
ひょっとしたら あったかもしれませんが


でも  どーすれば 体で覚えるかをよくわかってる
師匠の言葉に従ったことを 今ではやっぱり良かったとしか
思えませんし、

感謝しています。



罰 を受けるような痛みの中
自分で自分の体を研究し、考えに考えて

前ボレオが出来るようになりました。


めでたし めでたし。



あ、良い子の皆さまは真似しないで下さいね。
痛いですから。

軸足の上で体絞って、研究しましょう。










ってゆーか、
忘れてるもんだなー 



ぜんっぜん そんな言葉 初耳かとばかり思ってたー。
まさかのルーツにあったーー。


   チーン。











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