2011年7月26日火曜日

ノブオと ちょびと セキネ君

月曜日は母せつこのとこへ行きます。

せつこは今 文鳥を2羽飼っています。

ぴーちゃんとくーちゃん。

それと熱帯魚がわんさか。

とても可愛がっているけれど この文鳥は
亡き父、ノブオが買ってきたものです。


ノブオはいつだって勝手に動物を買ってきたり
拾ってきたりしてしまう人でした。

で、世話をするのはいつだってせつこの役目なのですが。

カツオのようなやり方で ザルの下に米粒をおいて
罠をしかけスズメを獲ってしまうこともありましたし、
(カゴにいると意外とデカイと言ってすぐに飽きてました)

私が小さい頃はちょっとしたムツゴロウでした。

とりわけ柴犬の子供には目がなかったようです。


母せつこはいつもそれで怒ってました。


家族の中でどうやら私だけがそんなノブオの動物好きな血を受け継いだようで、私もやたらに小さい頃から
すて犬やら猫やら拾ってきたり 隠れて飼ったり
縁日に行けば絶対なにか 小動物を買ってきてしまう子供でした。

何かの雛とか
ハムスターとか そーゆーのを色々。


そうそう、隠れて病気の猫を飼っててアレルギーに
なってしまったこともありました。

そんなふうで 完全に禁止令が下されても
父ノブオとちょっとした公園の脇についた動物園なんかに
よく足を運んだものです。

動物好きな点で 私とノブオは奇妙な共犯者だったと思います。


私の記憶ではうさぎもノブオがどっかから連れてきたことがあり
ひどく母に怒られてました。


私が一人暮らしを始めたころ、真っ先に 動物を飼うことが
解禁になったことに喜びを感じました。

それでも仕事があったので、最初に飼ったのはやっぱり
インコだったかな。。

そしてカゴを揃えたり、ペットショップへエサを
調達しに行くのを手伝ってくれたのはノブオでした。


もう何度も書いたことがあったと思いますが
22歳か それくらいの頃 念願のうさぎを飼いました。

セキネ君という名前をつけたのですが

(ラビット…………………)



セキネ君との出会いはまだ書いたことがなかったと思います。

新宿をフラフラ歩いてて、伊勢丹の手前あたりの路地で
セキネ君は売られてたのです。

怪しいおっさんに。

いかにも弱々しい子うさぎが 小さな箱にひしめきあってました。


これは1匹出してあげなきゃ 狭いだろ と思い


でも いやいや うさぎを飼うのは大変だと思い通り過ぎましたが


200mくらい歩み進んだとろで やっぱりこの魔力に逆らえん と
諦め、来た道を引き返して買ってしまったのです。

冬の寒い日でした。



ココア色したセキネ君は とんでもなく甘ったれで
どこへ行くにもチョロチョロついてきて
トイレの前でも お風呂の前でも待ってる子でした。


当時 インターネットなんて普及してないし、
うさぎの飼育などペットショップで聞いても
まともに教えてもらえませんでしたので

やっぱりノブオに助けてもらい エサを買って(たぶんウサギ用なんて
なかったと思う。。) 野菜とかで かなりてきとーに育ててたと思います。


翌年の 中秋の名月にセキネ君は死んでしまいました。


「路上で売られてた うさぎじゃー もともとカラダは丈夫じゃねーよ」 と
大泣きしている私に ノブオが毒にも薬にもならないことを
言ってたのを思い出します。


いや、それらは思い出した というか
今日 仏壇でノブオと話してて ノブオから聞いたのです。


「そーいや お前 よく何か拾ってきてはピーピー泣いてたなぁ
ねー この子飼ってもいーい? ってなぁー。」


そんなふうにノブオが言ってる気がしたのです。

完全にあんたに似たんだし。。と言ってやりたいとこですが。



セキネ君の死はとてもショックで私の中で長く封印されてきた
ことでした。

ただ 今思い出すに、セキネ君が死んじゃった日はとても月がキレイでした。

何度も空を見上げましたから。

で、秋だったはず。

私は勝手に「中秋の名月」だと思い込んでたのだけど
なんとなくておセンチにそう思い込んでいただけなのかも。

調べてみたところ「中秋の名月」って必ずしも満月とは限らないそうで
すね。
で、毎年日にちもバラバラで。

その当時私が思い違いをしていた「中秋の名月」は10月15日だったのです。きっと。

そうするとセキネ君の命日は10月15日。



ノブオの命日も。。。。。。10月15日なのです。



今日、仏壇の前に座ってノブオの遺影を見ながら
そのことに気づき すごく驚きました。

そーか
そーだったのか と。


父が死んだとき
唐突にちょびを迎えることを思いついたのですが
やっぱりどう考えてもノブオにそれを後押しされてたような気がして
ならないのです。


ちょびの頭をなでながらセキネ君を埋めたときに大きなお月様を見たことを思い出し

やっぱり ちょびはノブオが引き合わせてくれたんだね、と言ってみましたが

ちょびはしらーんぷりしてリンゴをむしゃむしゃ食べてます。











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